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Re: バカ執事!! ( No.11 )
日時: 2011/11/06 20:35
名前: 麻優 (ID: 3eop5mZb)

第一章「新入り」#4
眠れない……

私、何で智歳になんて従ってたんだろう?

しかも、意識してた?

「眠れないのか?」

智歳がいきなり部屋に入ってきた。
ボーっとしてたから気づかなかった。

「ノ、ノックしなさいよ」
「した。でも応答が無いから勝手に入った」
「不法侵入!!犯罪よ」

怒鳴ったり、叫んだりするけど、智歳にはまったく効いてない。

「なら、警察に突き出すでもなんなりしたら?」

いきなり甘い声を出す。

っ!非常階段で私の弱点知ったな!

「じゃな」
「あ……」

私の声は届かず、智歳は去っていく。

なんか、さびしい。

もしかしたら、私ああいう人がほしかったのかも。

だって、パパもママもいっつも仕事仕事で……。

って、なんで私こんなにあいつのこと考えてるのよ!!

もう。やめやめ!あいつのことは、もう考えない!!

そういって、眠りについた。

*   *   *

「はぁ〜〜〜〜〜〜」

私は、食堂で大きな、それは大きなため息をついた。
いすの背もたれに頭をおいていると……

「おい、そんなことしてると、不細工がもっと不細工になるぞ」
「うるさい!不細工なことぐらい分かってる!!」

私は手に持っていたナイフをブンブン振り回す。

「と、危ない。嘘だって。マジになんなよ」

ナイフを持っていた手を智歳につかまれる。

チャリンとナイフが落ちる音がした。

「やっ……」

夢中で手を解く。
智歳につかまれていた所がまだ熱い。

「おい、昨日からどうした?様子が変だぞ」
「き、昨日から来たくせに何が分かるって言うのよ!!」

また、口論になる。

なんか、楽しい。智歳が来てから楽しい。
って、昨日来たばかりだけど……。

——この気持ちが、私の日常を変えてくれた。