コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: バカ執事!! ( No.18 )
日時: 2011/11/06 22:35
名前: 麻優 (ID: 3eop5mZb)

第二章「病気」#3
暇だなぁ〜。

——今日は休日。つまり、土曜日。
この休みが二日も……。

はぁ、こういう時って部活やってりゃよかった〜って思っちゃう。
ホントに暇だなぁ〜。

「暇なら遊園地でも行くか??」
「あのねぇ、だからノックをしろっての!て、いうか、遊園地!!?」

私は智歳の腕にしがみついた。
最近行きたかったのよねぇ〜。遊園地。

「え?あぁ。うん。姉貴にチケットもらったんだけど……そんなに暇だった??」

私、相当目を輝かせているらしい。智歳になだめられる。

「暇だったぁ〜。行く行く!遊園地!!」
「プッ、子供だな」

むかっ。

「そうだよ。私は子供ですよーだ!!でも、親から見たらいつまでも私は子供なの!!」
「そういうの語られても、俺親じゃねーし」

確かにそうだ。
いえてる。

「着替えるから玄関で待ってて」
「りょーかい」

智歳はドアを閉めて玄関に向かって去っていった。

智歳が去った後の部屋ってシンとしている。なんか、サビシー。

ルームウェアーからTシャツとGパンに着替えて玄関に向かった。

Re: バカ執事!! ( No.19 )
日時: 2011/11/07 16:54
名前: 麻優 (ID: 3eop5mZb)

「ん?意外にラフじゃん」

ケータイをいじりながらドアにもたれかかっている智歳。
足音に気づいたのか、顔を上げた。

「当たり前ジャン。ラチられても困るし……」
「ふぅん……」

私は、そっぽを向いた。
だって、なんかオーラを感じるんだよね……智歳の私服って。

髑髏マークを中心に書かれて、その周りを剣で囲んだ絵柄の白いTシャツ。
そのTシャツの上に羽織っているGジャン。下は、破れたようなデザインのヤワGパン。

わぁ……色気を感じるわぁ……。

って、私何考えてるんだろ。

「いくぞ」
「言われなくても行きます!!」

また、そっぽを向いてしまう。
情けないなぁ〜。

*   *   *

「やっぱりいっぱいだなぁ〜」
「そりゃ土曜だし……」

人であふれ返っている入場門で智歳は途方にくれた声を上げる。

「ま、俺らチケット持ってし〜」
「え?チケット持ってたら早くなるの??」

私、何もしらない。
遊園地って初めてだし……。

「えぇ!?初めて??なら俺が楽しみ方を教えてやるよ」
「……よろしくね」

ここは甘えておこう。
だって、マジで何もわかんない。

「チケットを持っている場合は、こっち」

私は智歳に手を引かれて列から右へ外れる。

ていうか、手……つないでる……。

そんな事を思っていると、パッと手が離れた。

「で、ここから入る。すいませーん。俺ら、チケット持ってるんですけど〜」

近くのスタッフさんに話しかける。
わぁ、ホントに慣れてるなぁ〜。

スタッフさんは、笑顔で私たちを中に入れてくれた。

「分かった??こういう遊園地は入場チケットじゃなくて、連続で何回でも入れるチケットのほうがいいんだ」

へぇ〜。

このチケットは三十六回(中途半端)入場門を通らずに入れるらしい。
だから、チケット購入の数十分をカットできるとか。

「で、次は、最初にトイレへ入っておく。または、空いているときにさっさと入る」

そうすれば、しばらくはずっと遊んでいられてスムーズに回れるらしい。

「じゃ、俺も入るから。お前もちゃんと行っとけよぉ〜。あ、片方がまだ出てなかったら……そこのベンチで待っていよう」
「オッケイ」

そういって分かれた。

トイレから出ると、まだ智歳は居なかった。
確か、あそこのベンチだよね?

そう思ってベンチに向かうと……

ドンッ

人にぶつかってしまった。

「あ、すいません」

いたた……。
私は腰をさすりながら立つ。
そして、ぶつかった人に謝る。

「ふーん。結構カワイー顔してんジャン……」

うわ、ヤバ。
超ガラ悪そう……しかも二人組み。

うわーん、何でこんな人たちとぶつかってしまったの……。

いきなり腕をつかまれた。

「ちょっ……やめてください」
「いいじゃん。ちょっとだけだって」

なーにがちょっとだ。

心で悪態をつくけど女の力じゃ勝てない。

智歳……。

気づけば、智歳のこと思ってた。

智歳が助けに来てくれたら……、って。

「だから、やめてくださいって……」

逃れようとしたとき……。

スッとうでが軽くなる。

「なに人の連れに手、出してんの??」

智歳……。

「チッ、彼氏つきか」

彼氏って……違うし!!

「ベンチで待ってろっていっただろ?」

智歳が怒り気味に言う。
私が悪いんじゃないもん!!

「違う!!行こうとしたらぶつかられたの!!」
「そっか……ごめん」

え?あ、いや誤らそうとしたわけじゃないのに……。

「ほら、いくぞ?」
「うん!!」

私は、笑顔でうなずく。

だって、手、差し出してくれてるもん。

——このときはまだ気づいていないだけだった。自分の気持ちに……。