コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: バカ執事!! ( No.31 )
- 日時: 2011/11/18 22:40
- 名前: 麻優 (ID: 3eop5mZb)
第三章「ライバル」#2
「ただいまー」
「おかえり」
誰も返すはずの無い挨拶が返された。
「え?ちょ、智歳!?大丈夫なの??」
「大丈夫大丈夫」
いや、大丈夫じゃないでしょ。
顔、赤いし。
「ともかく寝ててよ。明日が困るじゃない」
「……結局自分のためか」
当たり前だろ。購買室でどれだけ苦労したか。
ガチャリとドアを開けて、智歳の部屋に入った。
うわ、殺風景!ベッド、机とかの必要最低限の物しか置いてない。
「ホラ!あ、水取り替えようか?えーっと、何食べたい?」
「うん、取り替えて。そうだな……カレー。ていうか、作れるの?」
失礼な!私だって料理ぐらいできますぅ〜。
でも、カレーか。
「……素人でよければカレー作ります」
「プッ、いいよ。素人で」
「ごめんなさい。だって、料理って必要ないし、作ることないし、教えられたことそんなに無かったし……」
私は言い訳を並べてみる。
「……分かったから、早く作って」
「はい……」
私は智歳の部屋を出て、厨房に向かった。
うー、さぶっ。
でも、この温度保たないといけないんだっけ?
「うわ!カレー粉無いじゃん」
買いに行くしかないか……。
* * *
そして初体験二度目〜。
ここはスーパーです!
「あれ?会長??」
え?また出たよ。華。
「会長ってスーパー来るんですね」
「まぁ」
私は適当に返す。
「会長って料理するんですね」
「わりと」
しないけど。
「今日はカレーですか?」
「なんで分かった?」
「だって、具材がそうじゃないですか。にんじん、玉ねぎ、牛肉」
あ、確かに。
「今日は、カレー粉安い日なんですよ。運がよかったですね」
「確かに」
その後、お会計を済まして家へ帰る。
「で、何でついてきてる!」
「えーだってー、会長の家見たいし?料理するところみたいです!!」
「……」
もう好きにさしとこう。
* * *
「遅かったね……って、お客さん?」
「また起きてる!寝ててよ智……」
確か、華ってうちのクラスだっけ?
じゃあだめジャン。本名言っちゃあ!
「智夏(ちなつ)!あ、買出し行ってただけだから。言っといた方がよかった?」
そういうと、智夏こと、智歳は首をコクコクたてに振った。
「かいちょー!このイケメンさん誰ですか!?」
「だから、智……夏!私の……お兄ちゃん!」
「え……?」
智歳が首をかしげた。
ごめん。勝手な設定。
「そうなんですか!ほぉー、DNAってつながるものなんですねぇ〜」
「そ、そうかな?」
私が言うと智歳が
「誰が智夏だ!誰がオマエのお兄ちゃんだ!しかも、女っぽい名前やめろよ」
「仕方ないじゃん。智夏はアンタでお兄ちゃんもアンタ!」
私はくるりと方向を変えて厨房に向かった。
「よーし。作るぞー!あ、智夏は寝てて」
「会長さぁ、お兄ちゃんのこと呼び捨てなんですね」
「え!?」
ギックウ。忘れてた。
「あ、フレンドリーな家族なの!」
「あぁ。そういうことですか」
よかった。納得してくれたみたい。
でも、これは第一難関の終わりでしかなかった……——。