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Re: バカ執事!! ( No.32 )
日時: 2011/11/19 20:40
名前: 麻優 (ID: 3eop5mZb)

第三章「ライバル」#3
「ふーむ。ここまで治らないものなの?風邪って」
「仕方ねーだろ。コホッコホッ」

咳き込む智歳と体温計を一緒に写す。
まったく、こいつの体はどうなっているんだ。

「じゃあ、今日は何食べる?」
「……お粥」

! 難易度高ッ!私に作れるのかな?
で、でも、頑張るしかないっしょ!!

「分かった。あ、材料無かったら買いに言ってるから居なくても心配しないでね」

私が言うと智歳がコクコクうなずいた。

厨房へ向かうとまず冷蔵庫を開けた。

「ほっ、今回はあった」

ご飯は炊けばあるし、冷蔵庫の中には、ネギとかのお粥に必要な材料は入っている。

「さ、作るか!」

*   *   *

「できた!」

わりとできたかな?
悪くは無い!

よーし、智歳のとこ持っていくぞ〜!

「智歳。出来たよぉ〜」
「それ、食べれる?」

あ、当たり前だろぉ!!
まったく、失礼な。

「食べ終わったら熱測ってね」
「分かった」

そういって、私は部屋をでた。

*   *   *

「食べ終わった?」
「今、食べ終わったとこ」

そうか、そうか。

「じゃ、熱測って」

体温計を渡す。
そのとき、微かに指が触れた。

あつい。ホントに風邪引いてるんだ……。

「はい。測れたよ」
「え?あ、うん。うわっ、三十七度八分!?」

確かに、顔は赤いけど……でも、元気そうだよ?

「病院。行く?」

念のため、聞いてみた。

「嫌。絶対行かない」
「なんで?病院行って薬もらわないと」

私は、熱くなっていった。
早く智歳に元気になってほしい、そう思って。

なのに……

「なんだよ、自分の為?それなら絶対行かない」
「っ!……そうだよ!自分のためだよ。悪い?」

何言って……。
私、智歳に早く治ってほしいのに……。

「なっ!じゃあ、ゼッテーいかねぇ」
「……あっそ!なら、一生行かなかったらいいじゃん!!」

私はそういって部屋を飛び出した。

——どうして、いつもこうなっちゃうんだろう?
いつも、いつも、近づいたと思ったらまた見えなくなって……。

どうして、すれ違ってしまうんだろう……——。