コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 初恋の唄 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/26 17:56
- 名前: 凛華 (ID: wcxZaOmk)
5話 元の関係と祐樹の笑顔
「明日は陸上大会です。皆頑張ってね」
担任が言う。美羽は正直……陸上大会より、親友の律のことが気になっていた。
あの日の休み時間からしゃべりずらく、ぎこちない関係になってしまった二人。
そして、あまりにも切なく笑う架翔を見て理由を聞いてしまった美羽。
その日から、一切目も合わず話さなくなった。
「はぁ、どうしてこうなるの……」
「美羽っ!どうしたんだ?……お前がため息つくなんて珍しい」
「なッ失礼なっ!!」
話しかけてきたのは、陽菜姉の彼氏の弟、祐樹だ。
いつも元気で明るい祐樹は、架翔とは違った意味で人気があった。
「美羽……お前最近元気なくねぇ?」
「えっそうかな?」
美羽は必死に心を隠した。弱みを知られたくないからだ。
「いや、平気ならいいんだ」
「何?祐樹、心配してくれたの?(ニヤ」
「ちっちげーよ///」
「(ツンデレ…)ありがとっ!」
「いや、何かあったらいつでも頼れよ」
「うん」
美羽は初めて祐樹がツンデレなのを知った。
祐樹とは、ある事件があり、それから仲良くなった。
「祐樹……あの事、ごめんね」
「まだ、気にしてんのか?……大丈夫だって」
祐樹は気遣ってか、無理に笑顔を作る。しかし、美羽にはバレバレだ。
でも、美羽はこんなときでさえ、架翔もこんな切ない笑顔をしていたと架翔の事を考えてしまう。
「……祐樹、ごめん」
美羽は、事件のことを謝ったのか、
祐樹が無理して笑っているのに架翔の事を考えてしまったからなのか、
どっちの意味で祐樹に謝ったのかは本人しか分からない——
「じゃあな」
祐樹がそう告げ席へ帰った。
その時、架翔がこっちを見ていたのは誰も知らない……
次の日
「えー天気は快晴。えーとても陸上大会日和だと思います」
「えーが無駄に多くない?あの校長」
「確かに!!」
律とは、前の関係に戻り始めている。
美羽は律が言った事をなるべく忘れて、律と話そうとしたからである。
でも、やっぱり美羽には恋をする意味が分からない。
そして競技が始まる。