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第一話「蘭と大地」




「この問題分かる人ー」

いつも通り授業が始まった。

あ。

水谷が寝てる……

いつも通りだなー。

「@&\$<&#8364;&#163;#?☆彡&#22247;=+±*^%…………………………」

！？

寝言でも計算！？

「クスッ」

見てて飽きないなー。



ガバッ



大地が跳び起きた。何かあったかなあ………。



バタッ



！？

また寝た………

この一瞬の間に……


何も………無かったけど……






「蘭〜。水谷君の隣いいな〜。私と代わってよ〜」「嫌」「即答かよ」

左から順に、真岡沙耶、私、仲井伊緒。

沙耶は私の幼馴染で、伊緒は大親友。沙耶は水谷が好き。

「あのさ、彼奴の何所が良いの？」
「優しいしー、カッコ良いしー、運動できるしー、勉強できるしー」
「よーするに沙耶が馬鹿だからだろ」
「うん。って、はあ！？」
「そーゆー所も馬鹿だな」

何故に水谷が良いと思うんだろう。







私は。











はあ………






***

「うわっ！！雨だぁ……」
「ヤバッ　私傘持ってきてない」
「えー！？」
「やばいじゃん！！」

そういえば………　私も傘持ってきてなかったような……
ま、今2時限目だから帰りには止むでしょ。

多分。

***


止まず。
止めよ。コノ雨野郎。

「蘭、まさか、無いの？　傘」
「うん。まぁ、小雨だから大丈夫でしょ！！」
「……貸したいとこだけど……傘一本しか無いし。家逆方向だから……ごめんね…？」
「私貸せなんて言った覚え無いよ？」