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「康平クンに渡して欲しいのッッ」

いつものコウ宛の手紙。何か嫉妬。渡してくる子ッていつも可愛いんだよ…。

「うんッ、今日渡しとくねッ」

とか言いながら、渡したくない自分が居る。…駄目だ駄目だ！そんなんじゃっ。

「どしたの？」

頭を抱えてる所をコウに見られる…恥ッ…。

「いや…何でもない…」

そう言うと、コウは眩しい笑顔でにっこり笑う。

「ハハッ、なら良かった…！」

コウってば、そんな笑顔振りまいてたら
女子みんな死んじゃうよっ？バタンキューだよ？

「そーいやぁさ、ユルちゃんが今日めっちゃ面白くてさッ」
ユルちゃんとは、コウのクラスの緩川由乃ちゃんの事。
「急に先生に当てられたせいで
緊張してマーカーで黒板に書いちゃったんだよねッ！！」

…………ヤダ。

コウから…コウの口から…
コウの声で聞きたくないっ…。

他の女の子の話。

「どしたッ？亜美？」
「………これッ。じゃぁバイバイッ」

手紙を渡して私は走って家に向かった。