コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: だから、コイをしようッ@恋@(短編集)◆ ( No.38 )
- 日時: 2011/11/21 13:14
- 名前: 初音カノン☆ (ID: G5Z6Lx0v)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
【過去…】
私は普通の高校の普通の科で高校生活を過ごしていた。
芸能科…とかに入ったら、友達が出来たのだろうか?私は芸能人というだ
けで、高嶺の花のように扱われたのだ。先生も生徒達も、私を同等な人間
として見てくれる者は、誰もいなかった。
私は真面目なんかでも、しっかり者でも、高嶺の花なんかでもない。一人
の人間として見て欲しかっただけなのに。
孤独な高校生活と仕事の両立の繰り返し。私は生きる希望を失っていた。
そんな時に出会ったのが冬馬、彼だった。彼だけは、私を特別視したりし
ないで、本当の私自身を見てくれた。
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【高校3年;6月3日】
私は、誰もいない屋上でお昼ご飯を食べていた。他の子と居ると、気を遣わせて悪い気がして、結局それが当たり前となっていた。
いつも、ここでドラマの練習をしていた。
「ふ…私を知らないようねッ。じゃあ教えてあげるわ。私の名前は…」
ここで後ろを……「うぉ!!」
後ろには、同じ背ぐらいの男子が膝立ちで此方をがん見していたのだ。役に入ったら、自分の世界に入って抜け出せないのはいつもの癖なんだけど
…。
「す…凄ぃ!もう一回やってよ」
「え……」
何この人……。素丸出しって感じ?なんだろう?
でも…なんか嬉しかった。初めて同等に扱われた気がした。
「いやいや…、そんな事言われても…」
恥ずかしさで一杯になり、顔が熱くなる。でも彼のキラキラした純粋なまなざしに折れて、もう一回やってみる。
「ふ…私を知らないようねッ。じゃぁ…おしえてあげるわ。私は…」
さっきの様に振り向くと、やっぱりキラキラとしたまなざしで見つめていた。
『ドキッ、ドキン…』
何?この胸の高鳴りは…こんな気持ち、始めてだと思う。
「凄いね!」
褒められた事も嬉しかったけど、何よりその笑顔にドキドキしてしまう。何だろう?この感情は。
「俺も毎日弁当ここで食べて良い?」
「うんッ。」
初めて同等に喋れる友達、それが彼だった。