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『今日の空も涙色（１）』

私の名前は、阿部穂乃。ホノって呼ばれている。

いつも望月愛と一緒に居る私。アイは私と居なかったら大抵は猛くんと口げんかをしている。「猛が嫌い」というのが口癖にもなっている位だ。

だから私にとってアイは親友でも有り……、恋敵でも有るのだ。
…その事を、まだアイは知らないの。

そう…、私の好きな人は花城猛クン。私の恋いは報われない。自分でも分かっている。勿論分かりたくもないけど、十分理解している。

でもさ、「好き」っていう気持ちを押さえるなんて出来ないよ…。



猛クンは、口には出さないけど絶対アイが好きだと思う。絶対。
私は猛クンを見てきたし、アイの事も見てきた。だから、猛クンが何でアイの事を好きになったかもよく分かるのだ。

アイってば、本当鈍感なんだから、アイドルなんかに夢みてるんだよね………。



「ホノ、どうしたの？」

はッ！ぼぅっとしてしまった。考え事してたら、いつもマイワールド入りしちゃうんだよね。今は超土砂降りだ。…って傘忘れた…泣

「ホノももしかして忘れた？」
「うん…」

朝は晴れだったし天気予報も役立たずで、途中から土砂降りになるとは思わなかったのだ。

「これ貸すわ。」

そう私達に渡してくれたのが…猛君だった。

「猛？マジで！？ありがとぉぉ」

猛くんは私達に貸してくれたけど…、本当は入りたいよね？私なんか…猛クンの恋に邪魔なだけ…だよね？

「あ…私、今日用事有るんだった！すぐそこだし、二人で帰って？そこだから申し訳ないし！」

「えッ…？」
「おい…阿部！？」

私は走って・・・………ーー-------。