コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

運命☆改革 ( No.10 )
日時: 2012/05/20 08:06
名前: みお (ID: VEcYwvKo)

それはある日突然起こった。

いつもより騒がしい昼休み。
ほとんどの生徒が外を見ている。
俺も気になるけど,克稀とその仲間と一緒にキャッチボールすることになってっから,早めに飯は食わないといけない。

「克稀!!!!」
教室のドアが勢いよく開き,亜華羽の友達のユウが息を切らしてこっちに来た。
「亜華羽は??」
「それが,亜華羽が捕まっちゃったの!!」
「は??」

ユウの指さす先にはグラウンド。
「どけ」
グラウンドを見ていた多数の生徒を押しのけ,俺と克稀は外を見た。

そこには亜華羽……と

「「誰だ??」」
ハモりー!!!!!!!!!!
やっぱ以心伝心なんじゃねぇの!?!?

「行くぞ」
そんな事お構いなしに克稀はグラウンドへ走った。
彼氏ぶっちゃって☆

「彼氏だし」
また読まれた。くそ,なんなんだコイツ。



グラウンドに着くと妙に生ぬるい風が顔に当たった。
お,なんか今俺,かっこいい感じで言ってない!?!?

「うっさいから黙っとけ」
「はい」
スミマセン。

亜華羽の姿が近づくにつれ,亜華羽と相対して立っている二人の影もはっきりし始めた。
二人の女。

一人は派手な着物(十二単とかいうやつに似てる)を着て,その上から腰まである黒髪をたらしている。
もう一人は二つ結びで前髪はばっちり分け,家来のような恰好だ(女にしては馬鹿でかい)。
コスプレか!?!?

「!!」
黒髪の女と目が合った。
よく見るとすっげー綺麗。
克稀を上回るルックスSSって感じだ。

「く…紅音殿でございますかっ!?!?」
「ひゃいっ」
黒髪の女に尋ねられる。
最悪。声裏返っちゃったよ。
でも何で??

「そうですけど…??」
「やっぱりっ!!」
嬉しそうに黒髪の女は俺の手をとった。
少し握れば折れそうな指。
華奢ってこういうのをいうんだと思う。

「紅音殿」
「はい」
「貴方様にお話しがございます」
「はい…??」
「ちょっとこちらへ」
そのまま手を引かれる。
意外と力はある。…が冷たい。
冷え性なのか?

黒髪の女は二つ結びの女を手招きした。
すると二つ結びの女はキツネのように飛んできた。
よく見れば,こいつも美形だ。
一緒にグラウンドの隅という隅まで来ると,黒髪の女は話を切り出した。

「コホン。まず,あたくしは紅《クレナイ》と申します。こっちは吼弼《クスケ》ですわ」
「はい…」
着物といい,名前といい,最近では聞かない名前だ。
タイムスリップ—————。
いやいや,そんな非科学的な事。
偽名??
偽名を使ってまでコスプレやるか??普通。

「あたくし達3名の名は『く』の字で始まっております。それがどういう意味かご存知ですか??」
「はしょりすぎですよ,姫」
姫…!?!?
いや,確かに見た目は姫だけど。
しかもはしょるって,昔の人は使わないよな??
やっぱコスプレ説が有力か…??

「とりあえず,あたくし達はこの時代のものではございませんの」
「へ…」
タイムスリッ…プか!?

まさか,そんな事が。

「じゃ,じゃあ…タイムスリップってことですか…」
「まぁそうね」
まじかよ。
めまいがする。

「いつの時代から…??」
おそらく平安ぐらいだろう。
The☆貴族 って感じだ。
もしかしたら,紫式部のような有名な人かもしれない。

「驚かないでくださいね」
いや,もう驚いてるしw
平安という予想が当たっていれば,今日の帰りの寄り道のおやつは105円奮発しよう…なんて。

「あたくし達は…………………


未来から来たのです」

うん??