コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

運命☆改革 ( No.15 )
日時: 2012/06/02 18:50
名前: みお (ID: VEcYwvKo)


 ———佐野亜華羽でございます」
「あ゛あああぁ゛ぁ□×ゞ☆◆;※★——!?!?」

う,嘘だろ?
紅の姫が,亜華羽?
亜華羽が,紅の姫…だと?

「という事は,亜華羽の夫って……俺!?!?」
「はい♪」

紅の姫が目を細めて微笑む。

…無い無い!
克稀と亜華羽のちょ〜ぅラブラブな今の状況を,俺が,俺が破るのかっ!?!?

紅の姫は笑ったままだ。
…悔しいけど,すごく…か,可愛い。

やっぱり,亜華羽は好きだけど,克稀に悪い。
悪い…っていうか,まず無理だろ。

「ぇ…もう,俺…無理…」
「もう未来は決まっているのです。嘆かれても,あたくしにはどうすることもできませんの」

「『あたくしには』……??という事は,吼弼か誰かが運命を変えられるっていうのか??」

「吼弼は無理ですわ。あんな犬っころじゃ力が足りません」
「力…」

亜華羽の少し毒舌なところは何年たっても直らないようだ。

「そう,紅音殿のおじい様のような能力者でないといけません。まぁ,それが無理なら,紅音殿でも…。血はついでおられますし…」

紅の姫が目を伏せた。
口の端を少し引っ張り,意味ありげな寂しそうな表情をつくる。

風が吹く。
それと同時に再び紅の姫の髪が舞う。
しかし,その髪には前のような華麗さはなく,毛先が遊び,もつれ,風がやむと舞うのをやめた。


じじいが能力者なんて初耳だ。
で,俺も若干能力者なんて初耳だ。

俺は疲れて亜華羽と克稀が居る方へ歩き出した。