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運命☆改革 ( No.16 )
日時: 2012/06/03 18:09
名前: みお (ID: VEcYwvKo)


「紅音!大丈夫だったか…?」
「ぃゃ…全くだ」

克稀を通り越し,亜華羽の元へ歩み寄る。

「亜華羽,変なこと聞くけど,俺の事好きか?」
「えっ?」

亜華羽は少し目を開いた。
少し,困惑しているようだ。

「紅音お前何言ってんだよ!?亜華羽は——」
「ごめん,いいんだ,気にすんな」

テンションの低い俺は克稀の言葉を聞く気になれない。
亜華羽にそっと言葉をかけると,校舎に足を向けた。


「…好きだよ」


立ち止まる。
でも,振り返る気にはなれない。

「紅音の事,好きだよ。克稀程ではないけどね」


卑怯だ。
毒舌を若干混ぜて,そんな可愛いこと言うのは。

「分かってるさ」

俺は未来を知っている。
全て。
これから俺自身や亜華羽や克稀におこること。

俺は,それを変えなければいけない。
運命を…。

『まぁ,それが無理なら,紅音殿でも…。』
俺がやるしかない。


タタタッ
「紅音殿!」
吼弼が俺の歩みを止めた。
「?」
「無理を承知で伺いますが…同居させていただけませんかっ?」

同居!?!?
俺ん家は女が一人しかいない(母ちゃん)んだ!
そこに同じ年くらいの女を入れるなんて…無理!

「克稀は?」
「いえ,紅音殿でないと…あの,一応私,性別は♂ですので」

…なんだって…?
…よし,俺は決めた。
未来では何でもアリだ。
だから,いちいち驚かない!


「それに,部外者に知られてはいけないのです。私たちが未来から来たということを…。コスプレをいう設定になっていますから」

そうか,克稀は未来では『ブガイシャ』なのか。

「紅の姫は?」
「亜華羽殿のお宅でございます」
「あぁ…来いよ」

そう言い放つと吼弼は飛び跳ねた。
俺は校門前で待っておくように指示し———

「う゛っ!」

腹が痛いふりをして学校を早退した。