コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

運命☆改革 ( No.18 )
日時: 2012/06/11 21:36
名前: みお (ID: VEcYwvKo)

家に帰ると,母親が眉間にしわを寄せて寄ってきた。

「あの人は誰?『紅音殿に指示されて来ました。おじゃまします』って言って,勝手に入ってきたんだけど!?」

「あーそうそう,俺が指示したの」

角が生えそうな母親を通り越し,吼弼を呼んだ。

男のくせに長い髪を揺らし,着物の薄いものを着ている(これが着物と言うのかは知らないが)。

「…よし,母さん,髪切りに行ってくる」
「何言って…あんたこの前切ったばっかりじゃ」
「今の流れからいくと,髪切るのはコイツだろ?」

吼弼の腕をつかみ,財布を持って家を出た。



「いらっしゃいませぇ〜」

巴さんの元気な声が店内に響きわたる。

「あ!紅音…!久しぶり…でもないね♪そっちは彼女?」

吼弼の方を見ると,きょとんとして,状況が把握できていないようだ。
無理やり連れてきたからな。

「俺は男と付き合う趣味はないっす」
「男…!?」
「コイツを,男らしくお願いします」

いまだに自分が何をされようとしているか分かっていない吼弼をイスに座らせ,巴さんはハサミを入れた。

「あ゛ぁ!!!!!」

え,なに?

「姫にお仕えするからには髪を切らないと決めたのに!」

「遅っ!!」

久しぶりにつっこんでしまった。
俺,最近ボケ極めてたのに!

「ん?姫?」
「あ,コイツ,友達とコスプレごっこしてるんすよ,はは」
「成る程ね。だから恰好もそういう恰好なのね」

巴さんが単純で良かった…。

吼弼が嘆いている間,巴さんはカットを終わらせた。

「ねぇ,紅音,一ついい?」

巴さんがもったいぶって言った。

「はい?」

「この子…すっごいイケメン!!!!!!!!!」

面食い巴さんの視線の先にある鏡を俺も覗き込んだ。

そこには,ウルフカットでクールに決めたルックスSSのヒトがいた。

「なんなんだコイツはぁアア!!!!!!????」



「ありがとうございましたぁ〜♪」

顔を赤く染めた巴さんに見送られ,俺たちは店を出た。