コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第六話 俺はなぜこいつに撃たれているのか。 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/28 14:01
- 名前: 秋山レキ (ID: zx5jjBXL)
「えっ、は?俺が?殺し屋?」
「コクリ」
影灯は、首を縦に振った。
「きゅ、急にどうした?熱でもあんのか?保健室行くか?」
そう聞くと、影灯は、首を横に振った。
「いえ、本気です。では、手続きをしに行きましょう」
そう言い、俺の手をつかんできたので、俺は腕を回し振りほどく。
「急に何すんだ!つーか、手続きって何だ!?」
「手続きは、手続きですよ。もしかして知らないんですか?」
哀れむような目で見てくる。
俺は必死に弁解をする。
「いや知ってるよ!そういう意味じゃなくて、手続きって、何の手続きだってことを聞いてんだ!」
俺は、強い口調で言った。
「手続きというのは、物事を行うのに必要な手順。 あることをするのに必要な、一定の順序・形式に従った処置という事です」
「人の話を聞け!お前は!」
俺は、さらに強い口調で言った。
「とりあえず行きましょうか」
「だ〜か〜ら〜・・・」
俺は呆れ声で言った。
カチャッ
「撃ちますよ」
影灯は、表情を一切変えずに、こっちに銃口を向ける。
銃の種類は、ニューナンブM60 .38口径回転式拳銃。
・・・なんでお前が持っている。
それより、なぜお前は、俺にそれを向けているんだ?
「ちょ、ちょい待て」
プアァン
「『やります』って言うまで、撃ち続けます」
俺の制服の袖をかする。
カチャッ
「次は、手です」
やべー。こいつマジでやるつもりだ・・・。
「待て、話で解決しよう。な?」
「いやです」
「おいーーーーーーーー!」
ど、どうする俺。
『やる』って言わないと、殺される。
しかし、『やる』と言ったら、俺の平凡な日常が失われる・・・(汗)
どうする、俺。
どうすんだよ、俺!
ライフカード 続く!
みたいな事になる訳なくて・・・
「わ、分かった、なぜ俺なのかを教えてくれたら、やってやるから、な?」
言ってしまった・・・。
しかし、そう言わないと、あいつマジでやるつもりだ。
だが、そう言うと、影灯は拳銃を降ろし、こっちを見る。
「本当ですね?」
「あ、あぁ当たり前だろ」
俺は動揺しながら言った。
よし、計画どうり。あいつが後ろを向いたら、俺は逃げる。
追いつけないはずだ。俺は、速いほうだからな。
プアァン
「見え見えです。心の声が聞こえました」
影灯は、手首を横にし、俺の左肩の上。
顔の横を、正確に撃って来た。
ていうか、なぜだ。
なぜ分かった?
「『なぜだ。なぜ分かった?』・・・ですか?」
「なぜ・・・だ。何で分かった・・・」
俺は本気で動揺する。
「今日は、調子が良いみたいです。それより、やってくれるんですか?」
「ちょ、調子が良いってどういうことだ。なぜそんなことが出来るんだ!?」
「僕・・・超能力者ですから」
「何だこいつ・・・普通の会話が出来ねぇ・・・」
本当にどうすればいいんだ・・・。
俺どうすればいいんだ・・・。
俺!
「それよりやってくれるんですか?」
俺の思考回路を遮るように、影灯は、拳銃を頭に狙ってきた。
くっ。やるしかないのか・・・。
「分かった。今死ぬより・・・今、生きるほうが良いからな」
「分かりました。では、交換条件として、なぜあなたを選んだのかを、教えましょう」
今だ!
ガラッ
俺は、窓から飛び降りた。
死ぬより、事故のほうがマシだ!
全治何週間。いや、何ヶ月でも耐えてみせる!
さぁこい!
「全く仕方ありませんね・・・。」
カチッ
影灯の、制服の左脇腹についている、スイッチ的なのを押した。
俺は落ちている中、わずかに聞こえる呆れ顔の影灯の声と、
『カチッ』という音を聞きながら、俺は落ちている。
・・・結構高いな。
ていうか、あいつは、何をしているんだ?
何が仕方ないんだ?
バサッ
影灯も、窓から落ちた。
おいおい、何をしているんだ!あいつは、アホか!?
・・・俺が言うセリフじゃないがな(苦笑)
シュルッ
制服から、いろんな装備が出てくる。
日本刀らしき小刀。
脇差か?腰に挿している。
さらに、ニューナンブM60 .38口径回転式拳銃の弾も、出てきた。
おいおい。
「しっ」
影灯は、壁を蹴り、こっちに向かってくる。
ていうか、跳んでる!
おいおいおいおおいおおいおうおうおいおうおおうい!
ついに、あいつ人間じゃなくなってきたぞ!
ものすごいスピードでやってきた影灯は、俺の腕を、自分の腕で絡まして、お姫様抱っこしてきた。
・・・。
桃が泣いて喜ぶ場面だな・・・。
「いやぁふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
うっ!桃の声だ・・・。
「な、なんですが?!どっぢが受けですぐぁ!?どちちが、ぜめですだぁ?ユニバーーーーース」
色々言ったと思えば、変な言葉を残して、倒れた。
「紅く〜〜ん〜〜〜」
今度は、つららか・・・。
「大丈夫だった?怪我無い?なんかする?保健室?病院?こ、紅く〜〜〜〜ん」
こいつも倒れたよ。オイ。
「だ、大丈夫だったか?紅?」
やっとまともなやつが来た。
「う、うわぁ!大丈夫か?姉ちゃんと、桃!?」
「俺わぁ!」
思わず叫んでしまった。
「ていうか、影灯!お前いつまでお姫様抱っこしてんだこのやろう!」
「・・・」
返事がしない・・・。
「お、お〜い大丈夫か〜」
俺は、影灯の顔を見た。
めっちゃ顔がキラキラしている!
「だ、大丈夫か!?影灯!」
と、言ったら、影灯は、手を下ろし、俺はそのまま、下に落ちる。
「グハッ!影灯、何すん・・・影灯?どうした影灯?」
影灯は、両手をほほに当て、星が顔の周りに、出ている。
っぽい、顔でしおり達のほうを見る。
「あれが、友達ってやつなんですねぇ〜〜。ねぇ?有沢く〜ん」
「そ、そうだな。全くその通りだ」
「ですよねぇ〜」
何だこいつ、ぽわぽわしているぞ!?
「それより、その服着替えろよ・・・」
「あっそうですね。すみません」
左脇腹を押し、服が戻っていく。
「よしっ!有沢君を殺し屋にするのはやめました」
「マジか!?」
「今は、ですけど」
「・・・結局すんのかよ」
俺は、呆れた口調で、突っ込む。
「そうだ。一旦友達になりましょう。ねっ、有沢君」
影灯は、俺のほうに、手を差し出す。
「ちっ、わーたよ。助けてもらったお礼だ」
俺は、頭をかき、影灯の手の平をつかみ、起き上がる。
「ふふっ。初めての友達です」
そう言い、影灯は、子供の様に笑った。