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Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.1 )
日時: 2012/01/02 02:08
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)

『聖なる夜の贈り物』



 一.



 ある街外れのお屋敷に、幼い双子の魔女が住んでいました。

二人の姿は鏡に映したようにそっくりですが、一つだけ違っています。

瞳が赤いのがお姉さんのステラで、青いのが妹のフロラです。



「カレンダーを見ていたの?」

「カレンダーを見ていたの。」



 今日は十二月二十三日。

明日はこの国の王子様のお誕生日で、十才になった二人は

大人の魔女や魔法使い達と一緒に、お祝いのパーティに

お呼ばれしているのです。



「あたし達のプレゼント、王子様は喜んでくれるかしら?」



 妹のフロラが、不安そうに尋ねました。



「あたし達のプレゼント、王子様はきっと喜んでくれるわ。」



 すると、お姉さんのステラが力強く答えます。

実は、ステラとフロラは王子様のために一生懸命考えた、

とっておきのプレゼントを用意してあるのです。



「もう寝ましょう。明日は早起きしないといけないんだから。」

「もう寝ましょう。明日は早起きしないといけないんだものね。」



 そう言ってステラが真っ白なカーテンをさっと閉めると、

フロラは枕元の明かりをふうっと吹き消します。

それから、ふかふかのベッドの中で二人は一緒に目を瞑りました。