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Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.2 )
日時: 2012/01/02 00:04
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)




 二.



 あくる日、朝早くに起きたステラとフロラはまず、

余所行きの黒いローブに着替えました。

それから、黒いとんがり帽子も被って、真っ黒な革のブーツも履きました。

仕上げに、柊のステッキを持つと、

二人は向かい合って、お互いの姿を見比べました。



「あたし達、全部お揃いだね。えへへ。」

「あたし達、全部お揃いだね。えへへ。」



 なんだか嬉しくなってきた二人は手を繋ぎ、

ルンルン気分でお屋敷を出発しました。

目指すのは、街の真ん中にある大きなお城です。



「ねえ、ステラ、見て。すっごく綺麗。」



 小高い丘の天辺まで歩いてきた二人は、

立ち止まって街の方を見下ろします。

丘からは、王子様をお祝いするためのリースやツリーの飾りが、

街のあちらこちらに飾られているのが見えました。



「本当ね。でも、あたしのおまじないでもっと綺麗になるわ。」



 ステラは自信たっぷりにそう言うと、今度は空を見上げました。



「ねえ、フロラ、見て。すっごく綺麗。」



 フロラも同じように空を見上げると、

真っ青に晴れた冬の空がどこまでも続いているのが見えました。



「本当ね。でも、あたしのおまじないでもっと綺麗になるわ。」



 フロラも自信たっぷりにそう言うと、

二人はまたお城を目指して歩きはじめました。