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Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.3 )
日時: 2012/01/02 00:12
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)



 三.



「ねえ爺や、どうして蝋燭飾りに火を点けないの?」



 お城の庭に生えている樅の木を指差して、王子様が尋ねました。

樅の木には蝋燭や林檎など、色とりどりの飾りが飾りつけられています。



「冷たい風が灯した火をすぐに吹き消してしまうからじゃよ。」

「ふうん。じゃあ、どうして本物の雪を飾らないの?」



 今度は雪の代わりの綿飾りを見ながら、王子様は聞きました。



「積もった雪はすぐに解けてしまうからのう。ほっほっほ。」

「ふうん、つまらないね。」



 王様の部屋に飾られていた、火の点いた蝋燭と本物の雪で飾られた、

美しい樅の木の油彩画を思い出しながら、王子様はため息を吐きました。