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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.5 )
- 日時: 2012/01/02 00:28
- 名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)
五.
「さあ、次は君達の順番じゃぞ。」
とうとう、二人の順番がやってきました。
召使のお爺さんに急かされ、一歩前に進み出たステラとフロラは、
まず、ローブの端を指で摘み、お行儀良くお辞儀をしました。
「王子様、お誕生日おめでとうございます。」
「王子様、お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「これがあたし達からのプレゼントです。」
「これがあたし達からのプレゼントです。」
そう言って、二人はお揃いのステッキを天井にかざします。
ステラが呪文を唱えると、胡桃色の髪の毛がうんと逆立ち、
金色の輪っかがステラの足元から広がりはじめます。
輪っかが壁に掛けられているリースに触れると、
リースに飾られている蝋燭にポッ、と火が点きました。
それに続けて、フロラが呪文を唱えます。
するとやはり、胡桃色の髪の毛がうんと逆立ち、
今度は銀色の輪っかがフロラの足元に現れます。
輪っかはどんどん広がり、大広間の壁いっぱいまで広がった後、
見えなくなってしまいました。
「王子様、お外を見てみて下さい。」
「王子様、お外を見てみて下さい。」
二人に促されて、王子様が窓から外を見ると、
なんと、さっきまであんなに晴れていた空が灰色に曇り、
チラチラと雪が降りはじめているではありませんか。
そのうえ、中庭に生えている、
あの火が点いていない蝋燭と偽物の雪で飾りつけられていた樅の木に、
蝋燭の火が確かに灯っているのです。
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