コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Q、異世界で逆ハーレムは成立するのか? ( No.2 )
日時: 2012/01/09 18:52
名前: 由羽 (ID: 8Zs8HT.V)
参照: http://hosinoyuuhomupe.blog.fc2.com/

第二の問い「この二人はなんなのか?」前編

「あの……聞こえていますかー……?」

 その声は、徐々に声が低くなっていき、ざっざっ、という後退する音も聞こえてきた。
 気配からして察するしかないのだが。

「あのぉ……お願いですから聞こえていたら返事してぇっ!」

 だだだ、とこちらに走ってくる音とともに、耳元で怒鳴られる。

「聞いてるわばか野郎ーっ! 鼓膜敗れるだろーっ!」

 あたしもむくりと起き上がり、耳元で怒鳴ってやった。
 ひえっ、と声を上げ、小動物のように縮こまる、例の人物。

「お願いですから、大声を出さないでください……」

 ビビりながらそういうやつの顔は、結構、

「イケメンだ……」

 そう、日本人離れした高い鼻、ややタレ気味の目、ふんわりとやわらかそうな唇、ふわふわなほっぺ。それらが絶妙なバランスでおかれている。
 て、天から舞い降りたエンジェルやーっ!
 そう。短めの紙はくるくるにまかれているし、白を基調とした、ナポレオンのような洋服。ほっそりとした手足は、あたしが力を入れるとすぐに折れそう。

「あの、テイクアウトで!」
「はあ……?」

 いきなり怒鳴ったあたしに、はてなマークを出す、エンジェル。
 ああ、その困った顔もかわいい……。
 あたしが、エンジェルの顔をじとーっといていると、後ろからぱこっ、となにかで頭を叩かれた。
 意外と強烈……。

「いったー……誰よ、殴ったのはっ!」

 あたしが後ろを向くと、そこには、手に凶器を持った、殺人鬼——。
 ではなく、

「またもやーっ!?」

 黒髪の美少年が立っていた。
 エンジェルの子と顔だちはよく似ている。黒髪も、ストレートではなく、毛先が少し、くるっと回っている。釣り目がちな瞳は、闇のような黒。こっちのイケメンは、黒を基調とした、エンジェルと同じつくりの服を着ている。
 そんな彼は、あたしを不審そうにじーっと見て、こういった。

「このブス、処刑してもいいか?」

 ふざけるなーっ!

「ああもう、やっぱそう来たか、乙女ゲーの定番、冷血人間っ!」

 うん、黒髪と来たらそれだよね。……じゃなくて!

「は? 何が言いたいんだ? おい、ジェル。この女を連れて行け」

 そういわれ、はひっ!? と肩を震わすエンジェル君。いや、ジェル君。
 名前もかわいいんだから。

「あの、お兄様……本当に、連れて行くんですか……?」
「そうだ。おい、立て。動けないともなると、お前はデブでブスということになるぞ」

 そういいながらも、腕を引いてあたしが立つお手伝い。
 高感度、二十up。

「早く連れて行くぞ。おう、右のほう持て」
「は、はい」

 二人のイケメンに挟まれ、あたしはきれいな緑色の草の上に、赤い鼻血をまき散らしました……。


 Q、この二人はなんなのか。

 A、この後わかります。