コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Q、異世界で逆ハーレムは成立するのか? ( No.6 )
- 日時: 2012/01/18 22:24
- 名前: 由羽 (ID: in0tr.0M)
- 参照: http://hosinoyuuhomupe.blog.fc2.com/
第三の問い「ハーレムを作ることができるのか?」
Q、ハーレムを作ることができるのか?
A、(一番目の答え)さあ、わかりませんね!
「第一王子のクロード様です」
あたしは今、豪華なあるドアの前に、例のメイドさんと一緒に立っています。
紅い、蛇がモチーフらしいドア。宝石やら金やらがたくさん、これでもかとついている。
「……なんで、こうなったんだっけ……そうだ、数分前だ……」
あたしの、現実逃避から成る回想が、始まった——。
——————————
「え? なんで逆ハーレムづくり……?」
思わずつぶやいたけど、それは、おじさんに掴みかかろうとしたレイさんにかき消された。
「なんなんですか、父上っ! 聞いておりませんよ!」
「うん、そりゃそうだようね。言ってないんだもん」
「言えっつってんだよバカおやじ! なんでこんなちんちくりんに恋心抱かなきゃいけないんだよ!」
「そうか? お前にぴったりだとおも……」
「お前にぴったりだよ! 四十五のひげおやじになぁ!」
いきなりの父と息子のけなしあい……っていうかレイさんの一方的な悪口を聞きながら、あたしの頭も混乱。
「えの、あっと、なんであたしを選んだんですか? 他にもいい人いるじゃないですか。美人さんなんてごろごろいますよ」
「そうだ! 仮にも美人以外の人でも、こいつのレベルはないだろう、こいつは!」
何故に二度言った!
「ふ。レイは人を見る目がないな。何を隠そうこの秀名さんは!」
お、何々?
「恋愛ゲームの達人なのだ!」
「オタクじゃないですか。ただの」
ふん、あたしはその言葉を何年聞いてきたと思っているのだ! もうその言葉には慣れっこだもんねー!
「ただのオタクじゃないぞ! なんと、この人は恋愛経験ゼロだ!」
「言うなーーーーっ!」
あたしは、おじさんの顔に右ストレートをお見舞い。
その途端、横にずらーぁっと並んだ兵隊さんが、あたしののど元に、長い槍を押さえつける。
ほんの数ミリ動いただけで、あたしののどは確実に切り裂けるだろう。
「……なんのまねですか……」
「それはこちらのセリフじゃないのか」
ちゃっ、と槍を、強く押し付ける。
「王になんてことを」
王? この人王なの?
「まあまあ、対していたくないから気にしないでくれ」
赤くなった頬を抑えながら、ニコニコ笑って言うおじさん。いや、王。
よゆーそうな口調だが、目は涙がたまっていて、痛そうなのが手に取るようにわかる。
「……すみませんでした……」
とりあえず謝っておいて、話の続きに戻る。
「……それで、そのあたしが逆ハーを作る理由は……?」
「そんなの決まっているだろう! 息子が恋愛をしたことがないからだ!!」
……何がどう決まっているのかわからない……。
「とにかくだ。女癖悪いやつもいる、妙な趣味を持っているやつもいる、女嫌いの奴もいる、とにかく恋愛に無縁の奴らがそろっている」
ええ。特にレイなんか、逆にきらわれそうですよね。
「特定に俺の名前を言っているのは何か意図的なものか……?」
「そうに決まっているじゃないですか」
バチバチを火花を散らすあたしたちの間に、例のメイドさんが間に入る。
「まあまあ。とにかく、詳しい質問はあとで、長男、そして第一王子のクロード様にあってみませんか?」
——————————
回想終了。
短かった……もう少し現実逃避したい……。
「では、入りましょう」
メイドさんが、ドアを開けた。
その先には——。
「こんにちは。君が、秀名ちゃんだね?」
あたしのジャージ姿を目にしても驚かない、というか逆の反応をする、長髪の男性がいた。
——あたしは、この人の心も手に入れなくちゃいけないのか……。