コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/16 20:21
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 朝生=あさき
ふう。この部屋に残ったのは、野獣並みにうるさいお母様と私だけとなった。つまり一対一というわけだ。別に戦ってはないけどね。
背中……背骨と言うべきだろうか。とにかく、背骨辺りまで伸びているウェーブのかかった茶色の髪が、ベッドの上で大変なことになっている。どれぐらい大変なのかというと、起きるといつの間にかスーパーサイヤ人になってるぐらい大変だ。いやまあ、髪型的な意味で。
お母さんのこのウェーブは天然である。この茶髪も、先程述べたよう勿論地毛だ。夕矢はお母さんのこの髪型に憧れたらしいのだが、実際は絡まって大変そうだなー。本当に他人事。
お母さんは、黙ってさえいればかっこいい大人の女ってイメージらしい(おともだち談)。娘の私から見れば、大変楽観的で、アホみたいな性格のお母さんだ。しかしたまにしっかり者である。自分の観点もちゃんと持っていて、偉大なる大人とはこの事だ。
……夕矢はお母さん似だという事は、言わずとも分かる。いびきといい、性格といい。
「お母さーん、起きてー」
眠りについているお母さんを揺さぶって、目を覚ますのを待つ。だが、体を揺らしてもお母さんは起きない。一向に目を開ける気配はない。大分、睡魔にやられている様だ。まあいつもなんだけど。
「お母さん! 起きてー!」
ムキになって大声を出した。全くここの妹とお母さんは……!
「ふあー……この声は、朝生?」
私の怒声にようやく反応を示す。まだ眠いからなのか、目は閉じたままだ。私は、眠そうなお母さんを見下ろして、「せーいかーい」と、だけ言ってみた。子供なのに上から目線って、何かおかしい。
お母さんが眠りから覚めたところで、私は下に行っていいか了承をとる。なんでわざわざ、お母さんの許可を得てから下へ行くのかというと、それは私のお母さんがねぼすけさんだからです。あと妹も。
私のお母さんとか夕矢は、起こしてから放置しておくと勝手に眠っている場合があるのだ。二度寝する前の記憶があんまり残ってないらしいので、どうしても私かお父さんのせいになってしまうのである。
それでルールとして、お母さんがしっかり起きれる日は、私やお父さんは下に行けるのだが、そうじゃない時はちゃんとお母さんを支えてやる。なんというお母さん基準。朝には相当弱いのだ。
ちなみに夕矢は学生だからちゃんと起きなさい、とお母さまから説教を頂戴している。社会人なのに寝坊する方がよっぽどだと思うんだけど。
「大丈夫大丈夫。今日は大事な仕事だから」
お母さんの欠点について、それと我が家のルールの一つを語っていたら、お母さんが欠伸をしながら、ベッドから立ち上がっていた。
のろのろと歩くお母さんの後ろから、下に続く階段を降りて行った。