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Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.12 )
日時: 2012/04/16 18:20
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
参照: 朝生は咲ちゃん大好きです。大体咲ちゃんの紹介だぜこれ。

 咲はきっと、私の中では一番仲が良いと思われる友達だ。友達が少ない私にとって、そう識別するのは簡単だった。
 中学校の時に知り合い、それ以来とても仲の良い友達——いや、それ以上の親友という仲だ。……少なくとも、私はそう思っている。
 中学校の入学式、今まで会ったこともないような人が沢山居るような教室の中で、私と咲は出会った。他校はどんな人が居るんだろ、と挙動不審に辺りを見回していたら、前の席だった咲から声をかけられた。ただそんだけの至って普通のお話である。
 最初の会話は、「名前似てるねー、一文字違い!」となんだか意味の分からない会話だった。が、咲の顔(とびっきりの笑顔)が可愛かったのは今でも覚えている。私とは真逆の元気な声、元気な笑顔。私はこんな可愛い子に声かけられるなんて……と驚いたものだ。幻と思うくらいあれはびっくりした。
 そんな可愛らしい木原咲は、今も昔もふわふわしたオーラを放つ、元気で天然のお間抜けさんである。マイナスイオンを放つほどの美少女ぶりだ。髪型はショートボブで、髪の色は色素が薄い感じの茶色だ。ショートボブとかボブって、似合う人と似合わない人が居るんだよねー。咲は勿論前者に決まってる。コイツは何でも似合う。美少女だから。
 そんな美少女な咲は、優しい笑顔と気取らない性格を兼ね備えている。いつだって笑顔で、どこか小動物のような感じも匂わせる。何に似ているかって言うと、リスとか鳥とかだと思う。
 しかし、小動物的な笑顔を振り向く割には、咲は結構背が大きい。私は百六十センチもない、標準の高さだと言えるが、咲は百六十をも越えて、まさかの百七十三センチである。
 そんな素敵な美少女、木原咲と出会い、話して仲良くなってたらいつの間にか同じ高校まで通っているという。いやあ、改めて振り返ってみると時の流れは思っているより早い。

「ていうか、なんで朝生そんなに起きるの早いの」
「わっかんなーい。てへっ」
「今私は朝生に殺気を感じましたー、てへっ」
「恐ろしい子……!」

別に面白くもない会話を交わしたところで、普通に面白くない、むしろテンションがだだ下がりになる鐘がなってしまった。そう、ホームルームの時間。
 咲は「えー」と、可愛く呟いて今まで座っていた席から立ち上がる。そして自分の席に戻りながら、私に叫ぶ。

「早起きの仕方、後で教えてー!」

……早起きの仕方とかあるか。