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Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.13 )
日時: 2012/03/23 20:31
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
参照: 修正箇所何個かあるかもです。あるかもです。

「そろそろ冬休みも近付いてきたが、学校生活はきちんとするよう心がけろよー。連絡事項などがあるやつは今すぐ言えさっさと言え」

くだけたような言い方。だらしない、教師とは言い難い、威厳のない中年の先生。そんな先生の話を聞いてる奴はごく僅かだ。周りにはお喋り声が響く。私だって聞いてはいない。右から左へ受け流すだけだ。更に勢い増し増しで。
 誰も手を挙げないのを見た生徒が、「連絡事項とかあんまりないだろ」と笑いつつ言った。そりゃまあそうだ。連絡があることの方がむしろ珍しい気がするのは私だけではないはず。

「んじゃまあ以上でホームルーム終わりまーす。おいお前ら、あんまり先生困らすなよー」
「何も困らしてないね!」
「いーや、お前結構苦情来てるぞ。つーかお前が一番来てるぞ」
「先生それ絶対嘘だから!」

最後さえも締まらない。別に気にしてる奴はいないのだが。皆が立つ前に先生が注意を促すと、明るい生徒が先生の言葉に突っかかった。
 だらしない態度が接しやすいのか、この先生は生徒に案外人気がある。私は男の先生よりは女の先生が良かったなあ、と何となく思う。先生なんてあんまり変わらないんだけどさ。
 さっきまで教壇の前に立っていた先生は教室から出て行き、ホームルームが終わった後の教室は、ホームルームが始まる前と同じで騒がしくなった。
 いつも通りの日常、いつも通りの煩わしさ。いつも通りの頭痛に、いつも通りの会話と心。昨日から変わったことはない。私はいつも通りだ。あ、そう言えば今日は歴史のワークの提出日だったっけ。ちょっとだけ急かされる。
 黒板に書かれたままの時間割を見つめ、一時限目と二時限目は体育だという事を知る。……朝から動くのかあ。うーん、更に憂鬱。

「あーさーきー、早くぅ」

咲が私を呼ぶ声が聞こえたので、私はロッカーに置いてあった体育着を取り出し、咲と一緒に教室から出た。
 ふと、昨日テレビで見た面白そうな映画のCMを思い出し、背の高い咲を見上げてお誘いをかけてみた。
 
「咲、土曜日暇?」
「全然暇だよ、なんかあるの?」
「遊びに行こう、見たい映画あるから」
「断る理由などなーいっ」

ドヤ顔で親指をたてられた。ぐっじょぶされても正直困るだけなんだけどな。いやまあ可愛いけれども。