コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界を創り出す愛情理論 ( No.14 )
- 日時: 2012/04/29 08:55
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: バスケとサッカーはハイテンション。
体育館に設置されている狭く古い更衣室で体育着に着替えて、更衣室から出る。冷たい空気が体全体に刺さり、半袖で更衣室から出た私の手足には鳥肌がたっていた。屋内とは言え、人口密度が低い体育館は寒いなあ。
流石に、冬真っ盛りに半袖の体育着だけでは寒いので、上にジャージを羽織って、グラウンドに出る。今日の授業はサッカーだ。サッカーは足蹴られたら痛いので、あんまり好きではない。
授業前には走らないといけないので、グラウンドを咲と二人で鬼ごっこをしながら走っていた。二人で鬼ごっこっていうのも何だかおかしい気がするが、ふざける時は咲と二人の方が逆に楽しい。
「さーわった!」
「瞬間移動! ざーんねんでーしたー」
咲の前に移動し、後ろ向きで変な顔を見せて咲を挑発する。
すると、何かに躓いて体が崩れる。視界がおかしくなって、気付けば膝が痛かった。気付けば体が地についていた。
「ちゃんと前見ないからこんなことなるんだよー!」
咲に馬鹿にされる。私自身もおかしくて笑ってしまい、よろよろしながらそこから立つ。クラスの人には変な目で見られたり、笑われたりした。
笑いが収まって、立ち上がると何かが刺されたような、軽い痛みに襲われる。転んだ拍子に擦り剥けてしまったらしい。風が膝を撫でる度に、膝がひりひりと痛みを主張する。
痛みをある程度感じなくなった頃に、歩こうとしたら、咲が手を引っ張ってきた。
「怪我したとこ、洗ってこよう」
「えー、嫌だよ寒いのに」
「ばい菌入ったらどうすんの? ほら、洗おう」
拒否したのに拒否権なんてなかった。ばい菌ってそんな簡単に入るもんかなあ。油断してたらそりゃ入りそうだけどさ。
咲に引っ張られて、水飲み場に到着した。下の水道管の蛇口を捻り、水を出す。私は足を出して、膝に水をかける。
「水沁みて痛いです咲さん、あと冷たいです」
「だめ。ちゃんと洗わないとばい菌入るから」
しばらく、水で怪我した場所を洗っていると、先生が号令をかけた。
それを見て、咲は「あっ、やば」と声を漏らし、水を止めて私を待っていた。膝を乾かす暇など当然なく、私は濡れたままの膝で走り出した。