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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.10 )
- 日時: 2012/03/10 18:59
- 名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: LXdRi7YQ)
さて、同じ時刻、シーナは旅に出る準備をしていた。
リュックに寝袋やら缶詰やら水筒やらを詰め、
写真に向かって、
「絶対、一流の魔法使いになるからね!」
と宣言した。
翌日、シーナはまた寝坊し、待ち合わせ場所に向かった。
「庶民のくせに、わたくしを待たせるなんて何事!?」
レイチェルの怒りは——多少、[庶民]という言葉にひっかかりはしたものの——ご尤もで、
反論のしようがないシーナはただ、
「…ごめん」
平謝りするしかなかった。
「もういいわ。
とりあえず、ここから一番距離の近い魔法相談所がある城下町の西の町…フラーレに
行きましょう」
「わかった…って事は、フラーレの森を通るのかぁ」
「そういう事になるわ。庶民のあなたには珍しく理解がいいわね」
「いやあ、ありがとう…ってそれ褒めてるの?けなしてるの?」
「あら、もちろんけなしてるに決まってるじゃない」
きっぱり言い放つレイチェルに
「………」
何も言えないシーナであった。
さて、こうして旅立った二人だが、一方、フォルスタ城のアデル王と魔法大臣は、
和やかに話していた。
「魔法大臣——いや、誰もいない所ではかしこまる必要は無いか。
グリフィス、今回の子供達の中に、見込のある子はいたかの?」
魔法大臣は、
「そうじゃのう。 諍いをしていたあの子ら、かのう」
と、懐かしげに目を細めた。
「あの二人はどこか…若い頃のわしらと似ておる」
かっかっか、とアデル王は笑った。
「お主もそう思ったか。
わしらの場合は、身分が邪魔したが——あの二人なら、問題なさそうだしのう」
「はてさて、二人の旅路はどうなる事やら—————」
不思議そうにつぶやいたアデル王に、魔法大臣は
「それは、あの二人次第…」
と、静かに言った。
〜第1章“魔法検定” 終わり〜
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