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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.12 )
- 日時: 2012/03/11 20:52
- 名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: w1dOosot)
第2章 “ほんとう”
フォルスタ城下町とその西にあるフラーレの町の中間地点に、フラーレの森はあった。
回避することもできるが、森の規模が大きくない事と、遠回りをするのは面倒だという事で、
フラーレの森を通る旅人は少なくなかった。
「あのさぁ」
フラーレの森に入ってから、1時間くらいが経った。
普通なら30分ほどで抜けられる筈の森から出られていない状況を思い、
シーナは話しかけた。
「何?」
「…あたし達、」
躊躇いがちに、考えたくない現実を口に出す。
「道に迷ったんじゃないかなあ」
レイチェルはかっと目を見開く。
「わかってるわよそんなの! だからこうして地図を見てるんでしょーがぁぁぁ!」
まさかの逆ギレ状態の彼女に、シーナは一言。
「もしかしてレイチェルって、方向音痴なんじゃ———ぐふっ」
今度は言葉ではなく、肘鉄が帰ってきた。
「いくらなんでも肘鉄なんて酷す——ぎ——って——」
文句を言うシーナの足と声が、ぴたりと止まる。
「何よ、急に立ち止まったりして」
不思議そうな顔をするレイチェルに、シーナは
「う、後ろ…」
と、レイチェルの後ろを指さす。
「恐ろしいものがいる、とでもいうの? 幽霊が出る、なんて訳でもあるま——」
彼女もシーナと同じように、ぴたっと動きが止まった。
レイチェルの後ろには、見るからに凶暴そうな熊がいたのだ。
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