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Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.14 )
日時: 2012/03/12 22:04
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: EX/TwVGW)

「ど、どうしよう…こんな時はアレだよね、死んだフリ…っ!?」
「ば、馬鹿、迷信よあんなの!」
「じゃ、じゃあどうすれば…」

慌てふためく少女たちに、熊の爪が襲い掛かる——!!

…その時、ぴしっ、と熊が氷に包まれた。
「「え…?」」

二人は戸惑いの声をあげる。…と、
「大丈夫ー?」
向こうから走ってくる人がいた。

「だ、大丈夫、です…」
ならよかった、とその女性は笑った。
レイチェルはその女性を見て、叫んだ。

「お姉さま!」

お姉さま、と呼ばれた女性は、
「レイちゃん。 久しぶりね」
とレイチェルの愛称を呼んだ。

「お姉さま、どうしてこんな所に…」
「レイちゃんこそ。 どうかしたの?」
「ええ。 わたくし今、魔法検定を受けていますの」
「まあ! 
とうとう受けることになったのね…あなたが名高い魔法使いになったら、きっと、」

盛り上がる二人の話を遮り、
「…あの。 二人は、知り合いなんですか?」
居心地悪そうにシーナは尋ねた。

お姉さん、と呼ばれた女性はシーナの存在に今、気がついたようだ。
「あら、はじめまして。 レイちゃんのお友達?」
「うーん、どっちかというと真逆の存ざ…もがもがっ」
レイチェルに口を塞がれる。
「もちろん、大親友にきまっていますわ!」
そう宣言する彼女に、お姉さまと呼ばれた女性は
「嬉しいわ、レイちゃんに大親友ができたなんて…」
と涙ぐんでいる。

シーナはレイチェルの袖を引っ張り、
「何を言ってるの?」
と問うが、
「いいから、合わせて」
という小声の答えしか返ってこなかった。

…いやいやいや、おかしいでしょ。
だって、今までレイチェルったら皮肉と嫌味しか言ってこなかったのに、
この人に会った途端、急に“大親友”って。

「わたしはシルヴィア・ルアーレ・スー・アバックよ。
あなたの名前は?」
「あ…えっと、レイチェルと仲良くさせてもらっているシーナです」
「そう、シーナちゃんね。 
わたしのお父様…アバック伯爵とティペット伯爵は昔から仲が良かったみたいで、
その関係でわたしとレイちゃんはレイちゃんが小さい頃から付き合ってきたの。
わたしにとって、レイちゃんは妹そのものよ」

「それよりもお姉さま、どうしてこんな所にいらっしゃるのですか?」
レイチェルはシーナへの態度とは180°違う態度で、そう聞いた。
するとシルヴィアは、それはね、と嬉しそうに話す。

「わたし、1級の魔法使いになって、魔法相談所のフラーレ町支局の職員になったの!」
「フラーレ町? …実はわたくし達、そこに向かう途中で」
「丁度いいわね。 フラーレ町まで、一緒に行きましょう」

再び盛り上がる二人に、シーナは
「居心地悪いなぁ」
と思うのであった。