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Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.44 )
日時: 2012/04/04 20:29
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: mtlvkoR2)

小さな家、そこがキャロルの住む所であった。
レイラはコンコンとドアをノックする。

「こんにちは、レイラです。キャロルさん、いますか?」

家の中から返事は無い。だが、
「あれ‥‥‥‥」
ドアノブを回してみると、ドアは簡単に開いた。
——鍵はかかっていなかったのだ。

「‥‥‥‥いつもは、鍵をかけているはずなのに」

レイラは訝しんだが、まあいいかと家の中に入った。
当然、シーナとレイチェルも彼女の後に続く。

キャロルの家は玄関とリビングの単純な構成で、玄関には複数の足跡があった。
「‥‥‥‥?」
そして、リビングは散らかっていた。
本棚は倒れて本が床に散らばり、
ティーカップが転がりテーブルの上は紅茶の海が広がっており、
開かれた本に滲んでしまっている。
玄関だけでなく、リビングにも足跡はあった。
箪笥の引き出しは皆ひかれ、中はかき回されたような跡があり、
窓はカーテンごと開かれ、そこから入ってきた風がシーナ達の髪をなびかせた。

簡潔に言えば、[荒らされている]。

「二人とも、これを見て」
シーナはテーブルの上にある本の、紅茶の滲んだページの隅に書かれた言葉を指さした。
彼女の指さした所には、何かのマークが書いてあった。

「これは何ですか?」
そんなレイラに、レイチェルは

「円の中に正三角形の形——効果は5日間程度しか無いけれど、簡単ですぐにできる
“記録魔法”の一種よ。
え、“記録魔法”を知らない?
しょうがないわね、特別に説明してあげるわ。
“記録魔法”というのは、文章や画像を魔力化して紙などに刻んだり書いたりする魔法よ。
                  カザ
刻まれた文章や画像に手を翳せば、魔法を扱えない者でも記録を共有できる———」

説明するよりもやってみた方が分かりやすいわね、とマークに手を翳した。


すると、3人は、機械的な光——それ以外、表現できなかった——に包まれた。