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「死神魔法？」

レイチェルは、そうよ、と言い、
「文字通り、ありとあらゆる生物の命を扱える魔法よ。
生きるも死ぬも、その魔法を使う者次第。

前に、ばあや（乳母の事である）に聞いた事があるわ。
３５年前、わたくしのお父様が治める町の内の一つの“カダル”という町があって、
そこの住人達が連続で不審な死を遂げたの。
ただ一人だけ生き残った少年は自分が殺した事を仄めかす様なことを言ったらしいわ。

でも、住人達には外傷も無ければ毒物を飲んだ形跡も無かった——少年は、
死神の魔法使いだったのよ」

「その少年は、どうなったの？」
「姿を消して、行方不明。　王国は指名手配して探しているらしいわ」
そっか、とシーナは頷き、
「町の人たちを全員殺めたんだもんね。　当然か。
で、それと今の現状に何の違いがあるの？」

「この死体の状況は、その時の住人達の状況によく似ているわ。
それに、時間を置いて死ぬ様な毒物は無い。
だったら、魔法としか考えられない。

彼らは——これはあくまで推測よ——死神魔法で殺されたんじゃないかしら」