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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.67 )
- 日時: 2012/04/26 22:01
- 名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: Y2qMR8Q5)
走りながら、キャロルは左腕をさすった。
彼の左腕には——袖で隠れていて普段は見えないが——何かの模様が刻まれていた。
これは、彼が尊敬する[ある人]に刻んでもらったものだ。
[ある人]は彼の身体を傷つける事を嫌がったが、
命とは引き換えられず仕方なくそれを施した。
父母も兄弟も友達も皆が倒れ、ただ一人残され今にも死にそうな彼の前に現れたのが、
『大丈夫?』
[あの人]‥‥‥茜色の髪の少女だった。
[あの人]に助けてもらってからは己を行方不明として、
町の人たちみんなの仇を———“死神の魔法使い”を探していた。
悪魔みたいなそいつに太刀打ちできる魔法が無いかと、必死に調べた。
いつのまにか、僕は“研究者”になっていた。
「キャロルさんっ」
己を呼ぶ声に、彼は我に返った。
そして、気がついた。
自分たちのいる場所は、広いホール。その真ん中に、ロボットがいる事に。
一つの赤い目、口は無い。
腕は——剣や弓を持っている——六本、大きな上半身を支える脚は3本。
ぎぎ、と軋む音がして、ロボットの目が彼らをとらえた。
『侵入者、発見』
どこかにスピーカーがあるのか、そんな音が聞こえた。
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