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目の前にいる、ロボット。
それが“彼”なのか“彼女”なのか、
どういう物なのかさえも分からなかったが、

『侵入者抹殺プログラム起動中』

その言動からして、相手はどうやら好意的ではないらしい。

いきなり、ロボットの目から出されたレーザービーム（と思わしきもの）が
シーナ達を襲う。
固まっていた彼女たちは四方に散り、危機感を感じ取った。

レイチェルは瞼を閉じ、静かに抜刀する。
シーナはキャロルの許に行き、彼を守るように立つ。
彼は、茫然とロボットを見る。

『侵入者は、抹殺———！』
ロボットが、そう喚き、レイチェルに切りかかった。
彼女はそれをいとも簡単にかわす。

『！？』

かわしざまに、ロボットを切りつけた。
ロボットの赤い装甲が一部だけ剥がれる。
レイチェルは舌打ちをし、ロボットを見た。

——これは苦戦するかもしれないわ‥‥‥‥。

剣を持つ腕を切り落とそうとしたものの、かわされてしまった。

ロボットは弓矢で彼女を狙う。
まるで、装甲を剥がしたなんていう事実が無かったかのように、落ち着いた態度で。

「ロボットには、感情が無いのね」

飛んできた矢を、刀で薙ぎ払った。