断章3聞くところによれば、シーナ、という少女は僕と同い年らしい。魔法使いとしてはまだまだ新人で、4級だそうだ。彼女と共に旅をするレイチェル、という少女も4級になったらしい。「4級じゃあ、……意味が無い」弱い力の、腕輪の持ち主では意味が無い。だが、“あいつら”に見つかる前に、自分があの少女を見つけなくては———少年は、夜を象徴する月を見ながら、そう思った。