コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.126 )
- 日時: 2012/05/03 08:34
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://koebu.com/user/kuma8710
【第十七話】ー嘘、本当、嘘 どっちが本当の自分?
感情を押し殺す=深緑君も嘘をついている。
どうしてみんな、嘘をつくのだろう?…否、私も付いているのかもしれない。自分では気付いていないで。
………ところで、何故群青ちゃん達は"偽名"を使っているのだろうか?別に旅をするくらいなら、偽名いらないのでは…?
とても不思議になって私は群青ちゃんに尋ねた。そしたら、困った顔をされてしまった。なにか駄目なことを聞いてしまっただろうか?
「………まず、長に会ってからでいいかしら?ここの長は赤荻のお婆ちゃんなの…。その人の為にと言ってもいいかしら…」
そう言って群青ちゃんは、笑った。
<長の家>
「お婆ちゃん。帰ったよ……お客さんが居る」
赤荻君が慣れた手つきで私達オ家の中へエスコートする。長の孫だけあって、手慣れているなぁ…。
そんなどうでもいいことを考えながら、私は赤荻君のお婆ちゃんこと、長に挨拶をしようと近づいた。
「こんにちは、長様。私は常磐の王女、黄龍と申します。今回は、赤荻君達に話を聞かせてもらおうと思い…こちらに寄りました。失礼だとは思います。いきなり何も言わずに来てしまったので。すいません」
そう言うと長は「まぁ、そんな堅苦しくせんでも」と優しく言ってくれた。顔が見えないように、ベールのような物をかけている。
「こんな格好ですまんの。醜い顔はあまり見せたくないのじゃ」
「そうですか…お気に召さないでください。そうだ、赤荻君。群青ちゃん。教えてくれるかな?」
「うん…」
そう言って群青ちゃんは重い唇を開けた。赤荻君は、腕を組んで立っていた。何か、考えているかのように。
「あたしと赤荻は、金持ちの家から高価なものを盗む…まぁ、怪盗をやっているの。いまじゃ、大怪盗ね。
それも、普通の金持ちじゃない。裏でお金をためて…グルとかまぁ、悪さで金を貯めた金持ちに下剋上をするため?
一番の目的はその盗んだお金で長の重い病気を治すためなんだけどね…だから、あたしは一度も怪盗になった事を後悔したことは無い。
だって、悪さをしている奴を苦しめて人を助けられるんだもん。
ねぇ、黄龍……あたし、悪いことしてる?あたし、最低な人間かな?無理矢理赤荻まで巻き込んじゃって…あたし……最悪な人間なのかな……………」
群青ちゃんは私に近づいて、肩を掴み言ってきた。後悔はしていないけど、不安はあるようだー…。
「大丈夫だよ。群青ちゃん、赤荻君も。貴方達は、可笑しくない。貴方達は間違ってない。それは、貴方達の今までの目標だったんでしょ?
だったら、間違ってるのあってるもないよ…だって、私…赤荻君や群青ちゃんみたいに誰かの為に生きれないもん。
逆に羨ましいよ…ねぇ、もっと自信持って…明るく過ごそうよ、ね?」
そう言うと、群青ちゃんは泣きながら抱きしめてきた。素早く朱莉ちゃんがハンカチで群青ちゃんの涙を拭いた。
赤荻君は「俺って、幸せだわ。こんなに仲間に愛されてて」と小さく呟いた。深緑はそれを聞いて「当たり前だろう」と同じように呟いた。
「偽名を使っている理由。それは、怪盗の時に本命を名乗らないためです」
群青ちゃんの答えは掠れてあまり聞きとれなかった。