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- Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.127 )
- 日時: 2012/05/06 22:47
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://www1.x-feeder.info/kuma/
【第十八話】ー凍る涙と貴方の感情
「じゃあ、今日はもう野宿で疲れただろうし…泊まっていくか?どうで、俺は母さんが帰ってくるまでお婆ちゃんの看病しないといけないし」
赤荻君は笑って言った。私達はその言葉に甘えて泊めてもらう事にした。私も、赤荻君の手伝いしたいし。
そう思って私は手伝う準備をしていた。え?なんの準備って?ココロ音準備だよ!ドキドキしてる…なんでか。
「お偉いさんと話すなんてしたことないなぁ…緊張しちゃう!長様はいい人そうだったけれど…」
一人でブツブツつぶやいていると、赤荻君に呼ばれた。どうやら風呂に入れと言いたかったそうだ。で、でもー…
「あ、赤荻君の家だし…最初に入ってきた方がいいと思うよ?私が先に入るなんて失礼だし…」
そう言うと、赤荻君に溜息を吐かれた。あれ?私…変なことでも言ってしまったのだろうか?溜息吐かれたけど??
「お前は仮にも王女なんだろ…?お婆ちゃんが先に入れろって煩いんだよ。一人が嫌なら群青と朱莉と入ればいいし…」
「だっ、王女なのは今関係ないし…だって!人様の家のお風呂先に独占するのって結構緊張するものなんだよ?!胸がドキドキするって言うか…だからッ!!」
続きを言う前に、私の言葉は途切れた。赤荻君の表情がいつもと違ったからだ。どうして、そんな顔をするの?
「……いいから、入って。俺もちゃんと入るから」
そう言って背中を押された。何故か、切ない気持になった。私は泣きたい衝動を抑えてお風呂に向かった。
廊下の途中、深緑君が手を掴んできて「大丈夫か?」と言って頭を撫でてくれた。なんでそんなに優しくするの。酷いよ。
そう思いながらもちゃんとお風呂へ向かえた。そして、声を押し殺して泣いた。本当の仲間になんてなれないんじゃん。
目を強くこすって頭を勢い良く洗って体も力強くこすってお湯にちょっとだけ浸かって出た。
着替えて外に出ると、群青ちゃんと朱莉ちゃんは一緒に入るらしく服を準備していた。
二人はメガ少し赤い私に「大丈夫?」「…大丈夫ですか?」と言ってくれてそれだけで少し立ち直れた。
だからー………
*夜*
「赤荻君。隠し事なんてやめて何でもはないしてね!私は何でも聞いてあげるから!!恋愛系の相談はあんまりよくわかんないけど!!」
私が明るくそう言うと、赤荻君はうんざりしたような顔をした。お前、馬鹿か?的な。あれ?思ったより反応が酷いぞ??
「……黄龍」
「な、なに?」
赤荻君の顔が近づいてくる。体を抱きしめられて身動きが取れなくなる。今日の赤荻君…なんか可笑しい?
「ど、うしたの……?なんか、今日の赤荻君可笑しいよ…」
体が震えた。恐い?違う…なんか恐怖とは違う気持ちで体が震える。あぁ、分かったよ。悲しいんだ、私。
「…ぅ、く。ふぁ…ふぇ……」
ごめんね、ごめんね、赤荻君。
「な、なんで泣いてんだよ?!」
赤荻君が焦ってる。でも、涙…止まらないよ。ごめんね。いくら謝っても足りないよね、ごめんね…ごめんね…。
「あかッ、おぎく、ん…ごめ、んねッ!寂しッ、かった、ん、だよッ、ねッ!!」
「!!」
私もそうだったもん。母も父も偉い人。自分も高い地位に継がないといけない。親は優しかったけど…寂しかった。
普通の団欒はきづけないから…いつも部屋で小さく包まっていた。ベッドの中で毎日声を出さずに泣いていた。
でも、今は違うじゃない。仲間がいるもん…友達もいるもん…私は一人じゃないもん…。
私は強く目元を拭った。そして、真っ直ぐ赤荻君を見つめた。大丈夫…伝わるよね!!
「赤荻君。私と一緒に旅についてきてくれますか?」
「…ッ!!もちろんだろ?」
そう言って赤荻君は無邪気に笑った。太陽みたいに明るく笑う彼は好きだ…彼にはそれがぴったりだから。
よかった…いつもの赤荻君だ。明るくてやんちゃな赤荻君が戻ってくれて…本当に………。
*おまけ*
「ねぇ、赤荻君」
「なんだ?」
「群青ちゃんのこと好きだよね?」
「ぶほっ!!」
「良かった——^^やっぱり!」
「…おい(お前なんだけどな…)」