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Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.140 )
日時: 2012/06/03 22:36
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://www1.x-feeder.info/kuma/

【第二十話】ー壊して狂って病んで殺めて




「まぁ、俺の過去はすさまじいほどすげぇーからさ。また、心の整理がついたら話すわ。深緑、朱莉…群青の前でな」


赤荻君はそう言った。すこし、悲しそうな顔はしたけれど…さっきよりは優しそうな顔をしていた。この分なら、大丈夫。
…群青ちゃんも、話してくれるかな…?こんな、何もできない私なんかにも…。きっと、何か教えてくれるよね。

きっときっと………深緑君だって。
いつか、完全に心を私に開いてくれる日が来るって…信じてる。
だって、赤荻君も話してくれたもん。
ちょっとだけど、心を少し傾けてくれたもん。私、信じてるもん。



そう思って目を閉じた瞬間だった。
物音がして赤荻君と窓を覗いた時。


外から、急な爆発音。
叫ぶ村人たち。
背中から落ちた冷や汗。
草原にこびりついている生々しい血の色。

部屋に誰かが飛び込んでくる。
飛び上がって起きたであろう群青ちゃん。
少し眠たそうだけど、いつもより焦り顔の朱莉ちゃん。
そして…何かを察したであろう深緑君。



深緑君は口を開けて言い放った。


「敵に、入りこまれた」



よく見ると、腕を怪我していた。
そうか。きっとあれは深緑君の血だ。
恐怖で動けなくなってしまった。
あぁ、恐い恐い恐い。
敵?誰?一体、どうして?
敵って誰なの?
ねぇ、誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰?




その時。

ぱりーん!

窓ガラスが割れた。頬に少し、傷が付いた。
目には入らなかった。よかった…だけど、誰なの?

「「こんばんは」」


そこに居たのは美しい容姿をした二人の少女だった。






「わたくしの名前を知らないでしょう。教えますね…白銀と申します。須黒様の側近…でしょうか。以後、お見知りおきを」

「あたしは真白。あんた達の命を狙ってきたわ。…いや、あたしの狙いは…そうね。アナタよ」

そう指を差されたのは…私?!


「ど、どうして…?」

「災厄ノ瞳。古ノ長髪。それはあたしが一番嫌う物。だから、アナタの命を狙う…理解できる?殺すのよ」


そう言い放つと、彼女は私に向かってなぎなたを振りかざした!!
もう、駄目だ!!私はそう思った。しかし、



「…お前なんかに、簡単に黄龍を殺させるものか。こいつは、しなければいけない事がある。だから、お前なんぞに邪魔させるつもりはない。」


深緑君が、助けてくれた。
助かった。死ぬかと思った。

そう。私はやらなければいけないことが。

呪われた意味を探す。
命の重さを知る。
仲間の過去を知る。

まだまだたくさんある。
数えきれない。

そう、邪魔させない。
私は死なない。死にたくない。




…私はッ!!




「お前なんかに、邪魔されてたまるか!!」






…?あれ???



「…今、誰がしゃべった?」
「さ、さぁ…黄龍の声だったけど……」
「で…でも違うよね?男っぽいよ……?」


「ど、うなんってんの?私の体………?」






多重人格。
そう、私は多重人格。
違う、俺は私じゃない。
俺は…俺は…俺は…。




「刹那…!」


体から、何かが抜けたと同時に
目の前には
黄金色の長髪、緑の瞳をした少年が出てきた。



「じゃ、いっちょいきますか。ちょっと魔法だすからどいてねー」


彼は笑顔でウィンクをしてそう言った。
あぁ、懐かしい懐かしい。彼は私で私は彼。
昔消えた過去の私。あぁ、懐かしい、愛おしい。




「スーパートルネードアタック☆」





そう彼が言い放つと、世界が眩しく光った。

























「…ん?此処は…??」




あぁ、常磐だ。
でも、どうして……?
あれ、あの子は私?
でも…そっくりな子がもう一人…?
あ!危ない…!魔獣がッ!!


「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



















誰なの?あの子は誰??
ねぇ、誰?私の過去を消した人。
ねぇ、刹那。アナタの詳しい事が分からない。
教えて。名前以外の事を。ねぇ、ねぇ。
あッ…消えないでよ!一人ぼっちは嫌ッ!

















「お前は一人なんかじゃない」


その時、誰かが私を抱擁した。