コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.141 )
- 日時: 2012/06/10 20:52
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://www1.x-feeder.info/kuma/
【二十一話】−夢。全ては幻想の中へ
抱擁してくれる手を振り払った。
一人なんかじゃない。
全ては嘘。全ては幻想。全ては夢。全ては架空。全ては………
【無存在】
「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
目をかッ、と開けるとそこはさっきと同じ空間。だけど、白銀ちゃんと真白ちゃんが少し恐ろしい物を見たかのような顔をして攻撃をしなくなった。
そして、私と目を合わせないようにしていた。やっぱりね。どうせ、嫌うんでしょ?恐がるんでしょ?遠ざけるんでしょ?避けるんでしょ?
いいよ。もう、いいよ。
嫌えばいいじゃん。恐がればいいじゃん。遠ざければいいじゃん。避ければいいじゃん。好きにすれば、
好きにすればいいじゃない!!!
存在否定すればいい。存在拒否すればいい。存在皆無にすればいい。存在消去してしまえば…してしまえばいい。
二重人格。記憶喪失。生まれ変わり。呪い。
そう。ホントの私は此処に居ない。姿はあっても魂はない。
あはは、面白いよね、笑っちゃうよね、あはははははは!!
一度、言われたことがあるよ。『あんたの存在自体が幻想の中なんだよ!』ってね。喧嘩売ってるのかなぁ?
「いいよいいよ。真白ちゃん。嫌えばいいよ。刹那なんて、私なんて、二重人格できもい、呪なんて気持ち悪い、不気味だ。って、言えばいいよ。
私の存在を否定すればいいよ。恐がればいいよ。嫌えばいいよ。『近寄るな!!』って突き飛ばせばいいよ。
「毎日毎日苦しみながら生きている。誰もそれに気付いてくれない。辛いのに辛いと言えない。泣きたいのに泣きたいと言えない。死にたいのに死にたいと言えない。そんな意思表示のできない私ならいらない。消えてしまえばいい。もう、いいよね。もう、こんな命、捨てていいよね。だって、命の大切さなんてしたって意味ないもん。知ったって、辛いだけだもん。もう、いいよ。もう、終わらせてよ。ねぇ、なんで怯えた目で見るの?私が嫌いなんでしょ?じゃあ、殺してよ…その手で、いますぐに!!」
分かってるよ。無駄だって。
彼女はもう、なぎなたを振れない。触れれない。
一人ぼっちじゃないなんて嘘ばっかり。毎日毎日苦しみながら生きていますけど?
アナタだってそうじゃないですか?きっと、瞳を隠している理由はそうでしょう?喧嘩をして何かを隠すのもそうでしょう?
そもそも、アナタは何が言いたいのですか?意味分かりませんよ。まったくね。あはは、あはははは!!
「無くならない命なんてない。だからこそ、大切に扱わなければならない。それを分かっている自分と、知ろうとしない自分がいる。
俺は弱虫だ。隠すことで何か知れると思っている。だけど、それは違う。黄龍。一言だけ、お前に告げておこうと思う。俺は大事な者を失った。もう、取り返せない大切な者を……」
嘘だ。嘘だ嘘だ。
私は、もう取り返せない。失った。何もかも。
なんでいっつも偉そうに説教するの?アナタは何もかも知ってると言うの?
ふざけないでよ。調子乗らないでよ。私はもう、そんな嘘に騙されるほど子供じゃない。分かってよ。
てか、黙れよ。
黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!
「うるせえええええええええええええんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
あぁ、交わっていく。
やめて、刹那。私と混じり合わないで。
アナタと私は違う。違う存在。
アナタはアナタの魂があり、私には私の魂がある。
いつの間にか白銀ちゃん達は消えている。はッ、来たくせに手が出せねぇなんてまだまだだな。
その時、朱莉ちゃんに言われた言葉にはッとした。
「アナタは一体、何がしたいのですか?」
それは自分が一番分からないんだよ、朱莉ちゃん。
零れ落ちた涙は跡形なく床に消えていく。
「私はッ、」
「本当は」
「生きたいです…ッ」
『知ってるよ』
そうやって言ってくれるみんなの声が聞きたかった。