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- Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.147 )
- 日時: 2012/07/23 22:08
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
【第二十二話】ー捨てたくない。生きていたい。
「馬鹿じゃないの?黄龍」
私の背筋は凍った。冷や汗が流れる。それはそうだろうな。罵倒されて当たり前だよ。
だけどね、私はアナタ達と生きたいの。お願い。我儘だって貶さないで…。
「そんなこと、ずーっと前から知ってるわよ。そこまであたしは馬鹿でもないし、能天気でもない。
みんな気付いてるわよ。黄龍…あたし達、仲間なのよ?誰もあんたの事を否定してないわよ」
「群青ちゃん…」
「それに、さっきの刹那ってやつもそう。仲間なのよ。仲間。ね、みんな?」
みんな首を縦に振って頷いてくれる。涙がこぼれる。とめどなく溢れる涙をぬぐうことすらできない。
「あたし…みんなと居ていいの?生きてていいの?消えなくていいの?去らなくていいの?失せなくていいの?此処に居ていいの?」
涙が止まらないよ。拭えないよ。
「…お前は」
深緑君が零れ落ちる涙をぬぐってくれる。
「自分勝手で一人で抱え込んで、いきなり泣いたり怒ったりするから…はっきり言って迷惑だ」
深緑君の言葉に「うっ、」と唸る。
言い返せなかった。図星すぎて。
「だけど」
深緑君は言葉を続けた。
私は息をのむ。
「群青の言った通りだ。お前は仲間なんだ。だから…俺はお前を嫌いだと思ったこともないし、消えてほしいと思ったこともない」
優しく微笑む深緑君。
久しぶりに見た気がした。
そんな優しく微笑む姿を。
ぶわっ。
私は涙線が崩壊した。
涙がこぼれおちる。
「ご、めっんなぁさい…!私が馬鹿だからぁ、みんなを傷つけて…!!」
ボロボロと涙があふれる。
もう、本当馬鹿な自分。
「お前、本当に神聖な馬鹿だよな」
「しつ、れいにゃ…かんじゃったじゃんかぁ…////」
ぽんぽん、と頭を撫でられる。
あったかい…。
「深緑ばっかりずるいわ!私だって黄龍大好きだもの!」
「わぁ!!」
群青ちゃんに抱きしめられた。
赤荻君が「そんなの、お前だけじゃねーよ!」と言った。
朱莉ちゃんが「私も…好き」とボソリと呟いた。
「ほらな」
深緑君が言う。
「お前は愛されている」
群青ちゃんにほっぺにキスされた。
朱莉ちゃんがそれを見て反対のほっぺにキスをした。
赤荻君は「お前らいちゃついてんな…」と言っていた。
「それを誇りに思え。お前は今、幸せだろう?」
「う、ん…凄く幸せだよ。みんな、大好き…ううん。愛してるよ…お願い、何処かへ消えないでね。
…もし、私が恐ろしいと感じたら…私の方から消えるから…そっちから消えないで…お願い…」
この言葉の意味をみんなは分かってくれるだろうか?
ううん。分かってもらえないと思う。
きっと理解してくれるのは、
同じ呪いを受けた彼だけだろう。
(災厄、古の呪いを受けた双子の魔女め…魔獣の餌食にしてやる!)
(きゃああああああ?!いやあああああああああああああああ!!)
(黄龍を助けなきゃ……自分はどうなってもいい…だから…!!)
(え…?ねぇ、どうして…??どうしてなの………??)
(あとはお前だけだな!しねええええええええええええええ!!)
(ゆるさねぇ…お前だけは、一生、許さねええええええええええええええ!!)
そういえば、過去にも一度刹那が出てきたことあったなぁ。
あの時はなんでだっけ?????
なんか、私すっごく怒ってた気がするんだけど。
「黄龍聞いてる?!そろそろ、次の町に行きましょう♪」
「そうだねぇ…行こうか」
何処までだって超えていける。
水平線だってひとっ飛び。
だって、仲間が居るから。
ねぇ、みんな。
みんなの事愛してるよ。
だからね
きっと私
みんなの事
裏切っちゃうと思うんだ
ごめんね
私
嘘付きなんだ
徐に感じた
ホントに私は此処に居ていい存在なのだろうか?