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Re: 【のとのい】黄金の少女と災厄・古の呪い【オリ募】 ( No.150 )
日時: 2012/08/05 22:09
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/

【第二十三話】ー錆びた鎖は己自身に絡められ





「狂いだす歯車を 自身で受け止めろ
 焦燥感 覚えても 恐れるな 立ち向かえ
 己自身 超えなくては 何ができるのか
 自分の道は 自分で創れ 誰かの後を追うな
 信じてるのなら 最後まで信じ 貫け
 凍りつく心は 溶かして包みこめ

 そうすれば 己を超えられるだろう」



誰かの唄声が響く。優しいけど、少しさみしそうな歌声。
胸の奥がきゅ、っと苦しくなる。だけど、懐かしくも感じる。



「あなたを変える それだけじゃあ 足りないのですか」



違う声が響く。振り向く。そこに居るのは…自分?
自分とそっくりな少女は緑の瞳を見開いて少女を見てた。



「亞那。アナタをもとのように光で包みこんで見せる。だって、金月もそれを望んでるもん。 
 アナタを救う事を望んでいる…だから………アナタを救いたい。お願い、私の手を取って」









亞那…?
誰なの、一体……?






「嘘吐き。
 ねぇ、自覚してる?
 あんたが一番嘘付きなんだよ!!」


私が
一番
嘘吐き?







「そうだよ。
 だからさ、アナタにも同じ道をたどってほしくないんだよ」


そう微笑んでいる少女が
私ではないことに気付いた時。

一体、誰なのか分からなくなった。




「あの子…誰?
 私にすっごくそっくりなんだけど………」


笑顔が凍りつく中で
私は何を得て
私は何を失うのだろうー…。








「黄龍っぅううううううううううううううう!」













頬に軽いビンタをされた。
地味に痛かった。



「痛いよ〜。どうしたの???」

「急に黄龍が寝るからでしょう?
 まったく。何処でも寝るんだもん」

「ご、ごめん…」

なんだ、夢だったのか。
そう思うと少しだけほっとしたような気がした。


「さてさて、お次の国に行きましょうか♪」

群青ちゃんが楽しそうに言う。
その笑顔に少し焦りを覚えてしまう。



「ぐ、群青ちゃん。
 早く行こうか…次は何処行く?」


地図を広げる。



「因幡あたりじゃないかしら?
 少し遠いけど…紫煙よりはマシでしょ」


そう言うと地図を私から取った。
こら、自分の地図を見なさい。


因幡かぁ。
どんな所かな?



「………因幡、か」



深緑君がボソリと呟いた。
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歩き疲れて座り込む。
みんな休憩もせずに歩き続けてたから同じように座る。
深緑君の提案で此処で野宿することになった。

「ふぅ…疲れたね……」

そう言うと深緑君は「体力なさすぎだろ」と言った。
た、確かにない。だけど仕方がないじゃないか。


元、女王だし!


「ま、お前に体力など必要ないか」
と呟いた。

失礼な。



その時。



がさがさがさ。
近くの茂みが揺れた。
驚いて深緑君に近づく。



ばたり、と目の前で少年が倒れる。




「き、キミ!?大丈夫…??」

驚いて少年を起こす。
少年は「うっ…」と呻いて呟いた。


そして一言。
「お腹すいた…」
そしてまた倒れ込む。



「…大丈夫?」
「いや、餓死するぞ。このままじゃあ」




「「…」」

深緑君と目を合わせて一言。




「「何か作る?」」


















「いやー、ありがとうございます!」

少年は美味しそうにご飯を食べる。作ったかいがあった。
直ぐに平らげて少年は私達にこう尋ねた。


「すいません。亞那って少女知りませんか?
 探してるんですけど…」


亞那…?
覚えがある。

夢に出てきた少女だ。




その時、ナイフが飛んだ。
深緑君が私をかばって頬にかすり傷を負う。


「…もしかして、こいつの事か?」


深緑君はそう言っていきなり長剣を出し、振るった。
少女が姿を現す。




「そうだよ。私だよ」


そう言うと少女はまたナイフを投げた。

少年はそんな少女が投げたナイフを避けようともしなかった。












ー危ない!














そう思って目を見開くと、ナイフは一瞬で砕け散った。