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Re: 黄金の少女と災厄・古の呪い【オリキャラ募集します!】 ( No.55 )
日時: 2012/03/25 21:22
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://yaplog.jp/8710kuma/

【第十話】ーきっとこの手は届くから


そうして出会った少女。目の前で起きていることはとても悲惨だった。それは、私でもわかる。
蔓の鎖に縛られ、身動きが取れない状態だったのだ。こんな酷いこと、誰がしたのだろう?
でも、鎖は真新しく…誰かがつい先日にやった犯行だと私は思った。でも、誰がやったのかなんて私にはわからない。
深緑君にはだいたいの見当は付いているようだった。でも、何故かさっきから教えてくれないのだ。

「深緑君…これをやった人は誰?そして……この鎖を解く方法は何?」

深緑君は少し考えたような顔をして、一言つぶやいた。

「そういえば……神剣がなんとかって…。」

深緑君はそう言うと直ぐに、剣を構えて蔓に向かった。それは、とても凄い身のこなしで素早い動きだった。
とにかく…深緑君が凄い人なんだってさらに想い知らされた気分に…私とは違うって思わされた。

「この鎖を切り裂けれるのは……五分の確立だ!!もし、これが神剣じゃないのなら……俺はこの蔓に巻き込まれる!!」

「な、なんで?!そんな危険なことをっ、深緑君は……!」

「信じてるからだ。この剣を、神剣だと…須黒の奴を信じることになるけど、これは神剣だと自覚しているからなッ!」

そうして振りおろされた剣…は、蔓を舞うように切り裂いたー…。少女は、力なく倒れこんだ。

そして…落下したっ?!

私があたふたしていると、深緑君がふわり、と舞って少女を抱きかかえた。その姿は一枚の絵になりそうなほど、美しくお似合いで…私は少し胸が苦しくなった。
理由は分からないけど、何故か胸がきゅ、と締まるような、切ない感じになった。
…何よ、群青ちゃん。そのニヤニヤした顔やめてよ。赤荻君もなんかニヤニヤしてるし…なんでそんなニヤニヤしてるのさ…。
深緑君は少女をお姫様だっこしたまま「行くぞ」と言って進んでしまった。まったく、マイペースな人だ。
でも、その子……見たことあるんだよなぁ。確か、常磐の………ん、常磐?

「あぁ—————!!その子、"朱莉"ちゃんじゃない?!」

そう叫ぶと、深緑君は驚いた顔を、赤荻君と群青ちゃんは「?」を頭上に浮かべていた。
朱莉ちゃん。小さい頃によく遊んでいた…そして、私が彼女を孤独にしたのだ。

「そっかぁ……朱莉ちゃんだったのか…でも、なんで蔓に縛られてたんだろう…………?」

「…………………………………………………」

「深緑君、何か察してるんでしょ?!分かってるなら教えてよ!!」

「お前が信じるとは思えない。」

何で教えてくれないの?仲間じゃないの?どうして?なんで?私が信じられないから?意味が分からない?

「どうして…いっつも、いっつも一人で抱え込むの?私達、仲間じゃん。信じるよ…深緑君と何年一緒に居ると思ってるの?」

深緑君は黙りきった。沈黙は長く続いた。そして、深緑君は口を開けたこうはなった。

「どうせ、知ることになる」

やっぱり、答えは教えてくれなかった。