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Re: 黄金の少女と災厄・古の呪い【オリキャラ募集します!】 ( No.60 )
日時: 2012/03/27 21:36
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://yaplog.jp/8710kuma/

【第十一話】ーだって想いなんて伝わらない



いつもいつもそうだ。私の事は考えてくれていることは分かっている。私の事を守ってくれていることだって、承知してる。
でもね、一人で背負うのは違うと思うんだ。誰だって、一人では生きられない。それは私が一番わかっていること。

だって、なんだかんだ言って私も寂しがり屋で弱虫で役立たずだから………誰かの力を借りないと生きれないから。
深緑君にもそのことを気付いてほしいんだ。昔の私のように忘れていくだけの人生じゃなくて…。


「っん………こ、此処は…?」


朱莉ちゃんが目を覚ました。よかった、意識はあるようだ。記憶喪失とかしてないといいけれど…。

「…貴方、確か………黄龍…?」

「えぇ、私。黄龍だよ。覚えてる?私、貴方を一人にしちゃったね。ごめんね。辛かったよね。恐かったよね。分かってるよ、許されないって。でも、私は……」

「ありがとうございます。でも、もういいんです」

朱莉ちゃんは無表情でそう言った。そして、とても残酷な言葉を平然と言ってのけた。

「だって、私…もうすぐで会いに行けますから。死に方が今、分かったんです

そんなこと、言わないでよ。貴方を信じてる人は…いるんだよ?貴方を愛してくれる人だって、今はいないかもしれないけど……いつか現れるよ!
どうしてみんな、それが分からないの?自分の価値観に気付かないの?貴方は、感謝されて生まれてきたんだよ?喜ばれて生まれてきたんだよ?

ー貴方達は、私なんかより…光輝く未来があるじゃない。こんな呪われてる私なんかより、生きる意味があるじゃない。

どうして、どうして……理解してくれない?分かってくれない?ねぇ、どうして?そんな風に考えるなら、私と変わってよ!
変われるわけないでしょ?"死にたい"って言う人ほど、弱い者なんてないよ。私は知ってるもん。
だって、昔の私がそうだったから。弱いくせに強い振りをした結果、色んな物を失った。
何を失ったかは思い出せないけど……大事なものを失った。自分より大切なものを。

私は、それを何か見つけたい。冒険を進める度にその少女の姿は浮かび上がるー…。


だからね、朱莉。

私は誰かの為に死ぬのは別に気にしない。でも、他の人がそんなことを言ったら怒るだろう。

まったく、意味が分からない。自分自身でも理解するのが難しい。きっと私は自分の事なんてどうでもいいんだろうな。
早く、朱莉を助けたい。記憶を戻したい。呪いを解きたい。深緑君の事を知りたい。


ーたくさんの気持ちが、私をせかしていく。