コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黄金の少女と災厄・古の呪い【オリキャラ募集します!】 ( No.64 )
- 日時: 2012/04/02 11:11
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://yaplog.jp/8710kuma/
【第十二話】−生命なんてどうでもいい
「命って一人に一個しかないんだって!!だから、黄龍も大事にしなきゃだめだよ?私も大事にしなきゃな……」
「…命ってなぁに?命って大事なものなの?」
「黄龍、命も知らないの?命があるから私達は生きていけれるんだよ?」
「…へぇ、じゃあさ」
"それがなくなったら、私達はどうなるの?"
遠い過去の記憶。まだ幼い私は命の意味さえ知らずに生きていた。いや、生かされてた。
自分が生きる意味なんてないってずっと思っていた。だから、いつも"どうすれば死ねるだろう?"なんて考えていた。
でも、私は弱虫だったんだ。簡単に死ねなかった。命を絶つことなんかできなかった。
それで私は自覚した。
「あぁ、そうか。"死にたい、死のう"って思ってる奴ほど、心の弱い奴なんて居ないんだよ。馬鹿だなぁ」
ってね。
「ねぇ、朱莉ちゃん。本当にあなたは死ぬ覚悟がある?この世から消える覚悟はあるの?ないよね。ないに決まってるよ。
私知ってるもん。そう思ってる奴ほど、心の弱い奴なんだよ。知ってるよ、だって、私だそうだもん」
何度思っただろう?
"こんな髪なんて切ってしまえば…!"
"こんな瞳取り除いてしまえば!!"
だけど、切れなかった。
私と”あの子“を唯一結ぶ物だったから。
まず、瞳を取り除くなんて恐いこと私ができるはずないじゃない。馬鹿だったな、あの時は。
「お願い、朱莉ちゃん。貴方は生きて、生きて、生きる楽しみを知って。そして毎日笑顔に過ごして。
今は笑えなくたっていいじゃん。恐がったっていいじゃん。いつか笑えればいいじゃんか。そうだよね?
貴方は私より"生きる"と言う楽しみを味わえるもん。だからさ、生きて…私の分まで。
貴方や、みんなの悲しみ、呪い、恨み、憎み、怒り、嫉妬……全て私が背負うから。私が全て償うから」
だからさ、
「みんなは、生きて……………………………」
枯れた声はみんなに届いたかな?
生きる意味なんてあるの?
ー私が生きる意味はないよ
「あ、貴方は間違ってます!!自分の命も大事にしてください!!誰かを守ることも、頼ることも、助けることも、貴方にはする理由がある!!
だって、仲間じゃないですか!!貴方の仲間じゃないですか!!貴方の大事な人じゃないですかッ!!」
大事な人……私が誰かを愛していいわけない。
大事なんて思ってはいけない。その人が呪われる。
「そんなわけないじゃん。私が誰かを愛すなんてこと、するわけないよ。しちゃだめだよ」
ー嘘だよ。
大好きだよ。
ずっと、見つめてたよ。
隣に、傍に居たいよ。
笑っていたいよ。
"愛してる"って言いたいよ。
「お前は、自分で背負えばいい手わけじゃないことを知っておいた方がいいと思う。
赤荻も群青も、お前の事を仲間だと思っている。だから、一緒に居るのだ。一緒に旅に出ているのだ。
分からないか?誰かを愛したいという気持ちは誰にでもある。好きになってしまうこともある。誰にだって。一度は恋する気持ちが芽生えるものなのだ」
……深緑君も、誰かを愛してるのかな?
「だから、」
「お前も今、朱莉に行ってことを自分にしろ。お前は呪いを探す前に自分の命について考えろ」
「の………?」
いいのかな?本当にいいのかな?
命、大切にしていい?
ーいいわけないじゃん
恋してもいい?
ーしていいわけないよ
誰かを頼ってもいい?
ー甘えすぎなのよ
何かを聞くたびに誰かの声が響く
「貴方が生きる意味なんてないよ」
「だから早く、消えなさいよ」
ーどうしてそんなこと言うの………?