コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 君がはじめて《1000突破!皆さんのおかげ。゜(゜´Д`゜) ( No.234 )
日時: 2012/06/24 22:04
名前: 珠紀 (ID: 8JrAMFre)

夜になり、家の中は真っ暗になっていた…

俺はただ、真っ暗な部屋の中で電気もつけずにぼーっとしている…

我ながら情けない…

外は、ざーっと雨の音がする…

大雨だ…

俺はカーテンに手をかけ開けた。

「…っっ!!」

そこには傘もささずに立っているまこの姿があった…。

雨が降ったのは、俺が家に入ってから、1時間後だ…。

あれから何時間雨にあたっているというのか…。

「ぁんの…っっバカ…っっ!!」

俺は急いで、部屋を出て玄関の扉に手をかけた。

…一瞬、手が止まる。

…本当にここを開けて、まこのところに行ってもいいのか…。

駆け寄ったら、俺の意志は揺らぐんじゃないか…。

そんなことが頭の中をぐるぐると駆け巡る。

だが、しかしまこの姿を思い出すといてもたってもいられなくなり、玄関の扉に手をかけ開いた。

「まこっっ!!」

「遥希…くん??」

まこは一瞬嬉しそうな顔をすると、すぐに泣きそうな顔になり俺のもとへ駆け寄った。

ぎゅっと力強く抱きしめられる…。

抱きつかれると分かる…。

まこの身体は、ひどく冷え切っていた…。

「こンの…っっバカっっ!!早く俺の家に入れ!」

俺が家に連れて行こうとしてもまこは首を横に振って何度も同じ言葉を繰り返す…。

「ごめんなさい…っっごめんなさい…っっごめんなさい…っっ」

「…っっおいっっ!まこ!!」

俺が叫ぶと、ピタッとまこの声は止まった…。

かわりに、まこの泣き声が響く…。

そして…。

「…っっ好き…っっ」

「え…」

「好きだよ…っっ遥希くん…っっどうしようもないくらい…君が好きっっ!」

俺は身震いした…。

身体中がぞくぞくするのを感じた…。

こんなに愛しいと思うものを俺は手放そうとしていたのか…?

俺はバカだ…。

「バカだ…っっ」

俺は泣きくじゃるまこを思いっきり抱きしめた…。