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１、始まり

＿＿＿＿＿＿＿＿＿ねぇ、みんな、願いが叶うとしたら、何を願う？


＿＿＿＿＿＿私ならね、お金持ちになりたい！

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿えぇ？あたしなら、運命の人に出会いたい！


「ただいま帰りましたわぁ〜♪」


麗奈は、家に帰ると、そういって、エレベーターにのりこむ。

麗奈の家に友達が来ると、お城みたいと言われ、憧れのまなざしをむけられる。

でも、麗奈は、この家があまり好きではない。


「おねーちゃん！！」

ツインテールにした可愛らしい少女がかけてくる。

「ただいまですわ、瑚子。」

「おかえりなさいです！おねーちゃん！」


無邪気にニコニコと笑みをむける妹の瑚子に、麗奈は笑いかけた。


「瑚子、どうしましたの？」

「おねーちゃん！おとーさまと、おかーさまがよんでる！！
　エントランスにきて、だって！」

「お父様と、お母様が？ありがとうですわ、瑚子。」


「うん！」

麗奈が、瑚子の頭をなでると、嬉しそうに目を細め、自分の部屋へ戻った。


★
「お父様、お母様、どうしましたの？」

麗奈が無駄に広いエントランスに入ると、何やらどっさりとしっかりとした書物がたくさん積んであった。

「これは、なんですの？」

麗奈が聞くと、父は答えた。

「これは、お前の、許嫁候補だ。」

「...！」

「良さそうな人を選んだわ。」

母が優しそうに笑った。

「...！う...。」


麗奈の中に龍の顔がよぎる。


「いや...ですわ！」

「ん...？なんだって？」

両親は、驚いたように言った。

「龍とじゃなきゃ、いやですわ！！」

麗奈はそういうと、家を飛び出す。