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Re: 美少女、みつけました。 参照1000突破!ありがとう! ( No.135 )
日時: 2012/12/08 21:30
名前: 乙川暮愛 (ID: /eEAG2r9)

ハァ、ハァ、ハァ...。


「りゅ、龍...!!」

「ん?どーした?麗奈。」


龍は、いつも通り、空き地で遊んでいた。

可愛らしい猫...たぶん、野良猫と遊んでいる。

にゃあにゃあとくっついてくる猫達をよけ、やってきた。


「めっずらしい!どーかしたの?」

「龍、許嫁が...。」

なぜか、そこまで聞いただけで、「分かった」と龍は答えた。



「それで?麗奈は、どうしたいの?」

龍は、ニコッと笑い、聞いてきた。

「!...どうしたいのって...。」

「好きなようにすれば良いよ。」

そんな、無責任ですわ...。麗奈は、口に出そうと思ったが、やめた。

この言葉がどれだけ重いのか、もう、分かっているから。



「好きにしたら良い。」
無責任に聞こえるが、要するに、どれを選んでもいい。道はたくさんある。


”どれを選んでも、俺は、受け止める。”

龍は、そういう人だから。昔から。


「つれてって...」

「ん?」

「連れて行って下さいませ!龍の家に!」


「...。いいよ。」


麗奈は、龍の手をしっかりと、握った。


大きいな、龍の手は。

ふと、麗奈はそう思った。


「おねーちゃん!!」

「「え?」」

「おねーちゃん!おねーちゃん!!」


「こ、瑚子!?」

「おねーちゃん、どこいくの?なんでいっちゃうの?」

瑚子は、マシンガンのように、質問をした。

「えっと...。」

麗奈は、なにも質問に答えない。

瑚子を巻き込みたくないから。それが、一番の事だった。



「おねーちゃん!そこの、おにーちゃんは、だれ??」


その時の、瑚子の顔は、いつもの無邪気で無垢な笑顔ではない。

邪悪で、それでいて、部外者を見るような、そんな、目。


「...!」

「キミが、瑚子ちゃん。」


龍は、そんな、瑚子にも、笑顔をみせる。

「おにーちゃんは、おねーちゃんをなにするの?」


ぞくっとするような、冷たい視線を発しながら、瑚子は、にじりよってくる。



「俺が、麗奈に、何するかって...?それは、誘拐、かな?」

「!龍!?」

そんな事は無い。違う、麗奈が龍にいったのだ。そんな事は...

「おにーちゃん、サイテー!!」

じぃ、っとにらむ瑚子に、龍は答えた。


「お母さんに、言って。お姉さんとつき合うのを許可するまでは、返さないってね。」


「バカぁ!!!!」

瑚子は、そういうと、走り去っていった。

「龍の、馬鹿。」

いつもそう。龍は、自分が悪いようにいって、わざと、誤解させるのだ...。



   そこが、麗奈は、大好きだった。