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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 美少女、みつけました。 投票お願いしま〜す^^ ( No.150 )
- 日時: 2012/12/15 11:11
- 名前: 乙川暮愛 (ID: /eEAG2r9)
3章 赤い空 〜夕日と自転車〜
「ズルいですわよ...龍。」
「ん?何が?それより、帰ろ!」
そういうと、龍は自転車にまたがる。
「なんですの?それは。」
麗奈は、物珍しそうに自転車をまじまじと眺める。
「え??もしかして、麗奈、自転車さえ知らないの??」
「ええ。」
「普段何で移動してんだ?」
「え?車ですわよ...?」
「おもし〜!」
大爆笑する龍に、麗奈は頬をふくらませた。
「なんですのよ!」
「いやー、こんなのも知らないなんてなぁって!!」
「五月蝿いですわよ!!」
「はいはい...んで、こうやって乗って移動するんだよ。」
そういうと龍は、自転車で麗奈のまわりを移動してみせた。
「凄いですわね!!」
麗奈は、龍の事を目をまるくして眺める。
「ほら、後ろ、乗りなよ!」
「え〜と、ハイ!」
そういうと麗奈は、恐る恐る、龍の後ろにのった。
「じゃ、いくよ!」
龍が、自転車を漕ぎ出す。
麗奈は、わぁ、と小さな歓声をあげた。
冬のはじめの、冷たい風が、びゅうびゅうと吹き付けてくる。
そんななか、龍の背中は、とても暖かくて、とても気持ちよかった。
自転車のよさに気づいた麗奈は、龍に興奮して、いった。
「龍!これいいですわね!!」
「まーな!」
龍は嬉しそうに声をあげた。
今日あったことが、全て、夢の話のように見えた。
許嫁候補を見せられた事。
親に初めて反抗し、逃げた事。
妹が、乱入した事。
そして、こうして、龍と共に自転車に乗っている事。
夢でも良いから、ずっと、こんな時間が続けば良い、麗奈は、そう思った。
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