コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 美少女、みつけました。 絵師さん募集中! ( No.201 )
日時: 2013/02/10 12:45
名前: 乙川暮愛 (ID: /eEAG2r9)

番外編 甘くて、はかない女心。


「瀬〜菜ちゃんっ!!」


俺は、そういうと、格好よくポーズを決めて、手を差し出した。

「...何やってんの?」

二月のある日のことだった。

「あ、これじゃ、駄目?じゃあ、こう!」


俺は、こんどは可愛らしく決めてみる。

「はぁ?」


瀬菜ちゃんは、飽きれたように見てきた。

忘れているのか、覚えているけど、俺には関係無しなのか。


...忘れているのだと、信じたい。


「瀬菜!おはよ〜!!」

二人の少女がかけてくる。

元気よく手をブンブンとふる二人をみて、瀬菜ちゃんもブンブンと手を振りかえす。


「おはよっ、結華!伊歩!」

「「ハッピーバレンタイン!!」」

「ハッピーバレンタイン♪」

三人はそういうと、友チョコを交換し合う。


......俺は、全然ハッピーじゃないんだけど。くすん。


「おはよぉ〜!日向!はい!義理チョコ♪」

結華ちゃんが、さわやかに俺に渡す。

「えっ!本当に?」

「当たり前でしょ〜?友チョコだよ、友チョコ!!あ、そういえば、今日日直だった!バイバーイ!!」

そういうと、結華ちゃんは、ニコッと笑って、走り去っていった。


「日向!!」


伊歩ちゃんが、真っ赤になって、俺になにか袋を押し付けてきた。

「え...?伊歩ちゃんくれんの?」


「義理だからね!義理!!」

そういうと、恥ずかしそうにぷいっと顔をそらすと、走ってどこかへいってしまった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「おはよっ!結華!伊歩!」

私は、そういうと、二人にハッピーバレンタインと交わしながら、友チョコを交換した。



日向はしゅん、と悲しそうにしおれている。

.........そろそろあげても、いいかな。

私は、そう思うと、鞄の中をあさる。


取り出そうとすると、他の二人が、日向にチョコをあげていた。

ちょっ、何あげてんの!!早く断りなさいよ!!

私はそう思って、黙って見ていると、二人が走り去った後の日向が、おかしかった。

「やっべ、嬉しい!!」



................。


「あっそ。日向、よかったね!!」

「え?あ、うん、嬉しいな!これ!」


「はい!日向!!」


「え?くれんの?」


日向は嬉しそうに、受け取った。



まぁ、チョコレートじゃなくって、カレーのルーだけど。


「ぶっ!辛っ!瀬菜ちゃん!酷い!」

「ふんっ!他の二人のを食べればっ!」



〜〜〜〜〜〜〜〜

女の子は、チョコレートのように儚くて、甘い。


ハッピーバレンタイン。