コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 美少女、みつけました。 過去小説リニューアル中! ( No.223 )
日時: 2013/05/12 11:07
名前: 乙川暮愛 (ID: /eEAG2r9)

「ひぃぃぃぃ、ご、ごごごゴメンナサイっ、私はいいのでどうぞどうぞですっ!!...あ、でも私なんかゴミくずが触ったものなんて食べたくないでしょうかっ、あー、どうしましょうか...!?」
「...別に、いい。じゃあいらない。」
俺はパンをその少女に渡す。
...しょうがない、お菓子にしようかなぁ...。
「あ、あのあの、本当、ごめんなさいっ!」
「だからいいっていってるじゃん。...あ、じゃあこれを買います...」

俺は店員さんにお金を払うと、袋を開け、飴を頬張った。
「...優しい人、ですね...」
「ん、どうしたんだ?亜。」
「嗚呼、奏汰君達!うーんと...私なんかのゴミくずにパンを譲ってくれる人がいたんですよ!」
「ふーん...もしかして、あの男の子?」

...面倒くさいなぁ...。

「そうです!...ありがとうございましたっ!」
...わざわざお礼をいうのか、俺には分からない...。
ただ面倒だから譲っただけなのに...。

少し振り向く。
満面の笑みで見ている少女。確か俺の後ろの席の人だっけ...。

...面倒だけど、興味深い。
一番最初に会ったときもそんな感情だったっけ...。


あの少女、水野亜って子は、どうしてそんなに素直なんだろう?
面白い。興味がある。

これが恋愛とは決まってないだろうけど...。

...とりあえず、観察してみよう。もぐもぐ。


.........放課後、俺は亜さんを追ってみた。
一人で校舎を出た亜さんは、花壇の前で立ち止まる。

「...綺麗ですね。憧れます...。」

誰に話すというわけでもなく、ただただ、小さく呟き、彼女は笑っていた。
そして、花壇の手入れをしはじめている。
あれ?この人環境委員だっけ?
いやいや、違うはず。

「...ねぇ。」
俺はつい、話しかけてしまう。
「あ、旭さん、どうしたんですか?」
「毎日、こうやって花壇を手入れしているの?」
「...はい。とっても綺麗ですよね。私なんかがお世話して枯れたらどうしようかと思うんですけど、やっぱり敬意を持つべきだと思うんです!」

明るく笑う彼女を見ながらすぅっと目を細めた。

...面白い。

「環境委員じゃないよね。」
「そうですよ。私がはいっても汚点になるだけですし!」

.........本当に、興味深い。

「俺も、手伝う。...もぐもぐ」

気がついたら、そんなことを口走っていた。