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「......珠洲。」
「どうしたの？玲。」

「......珠洲は、桐生日向が好きなんだろ？」

「...（赤面）」

そんなやりとりをすると、いっそう玲の機嫌が悪くなったようだ。
このままだとこの契約を破棄すると言い兼ねない。
とりあえず、話題を変えよう。

「そ、それよりさっ！わ、わたしは記事を書く作業が必要だから、とりあえず今日は帰っても良いよっ！」

「......待ってる。」
「遅くなるし...。いつもいつもわざわざ待ってなくてもいいんだよ？」

玲の方は見ないで、PCに向かい言葉を打ち込んでいく。

「.......襲われたら困る。」
「襲われないわよ。心配性ねー、玲は...って、ちょっ、玲？」

マウスを掴むわたしの腕を強く握り玲はじっとわたしの目を見てくる。

「どうしたのよ、玲？」
「......自分がどれだけ可愛いか自覚するべき。」

玲......？
なにをいっているの？
今までにない真剣な表情。
どうしたの？玲。

可愛いって......。

玲はそこだけ言うと、いつものように部室の椅子に座った。
どうやら本当にわたしを待っているつもりらしい。

仕方ない。
わたしは小さく嘆息すると、はやく記事を書き上げることに専念した。

ったく......。
チラッと玲を見る。
存在感は無いけど、それでも、顔は整っているし、またこのクールな表情が似合っている。
結構玲に好意を持つ女子だって多い筈なのに...。
わたしは、幼馴染みなのに、何処か不思議に思う疑問が消えないでいた。