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午後、７時４５分。

「んーっっっ......。」

小さくのびをして、熱くなったPCのウインドウを閉じる。

「ちょっと夢中になってやり過ぎちゃったかなー...。」
何気なく独り言をしてみる。
玲は真面目だし、辛抱強いとはいえ、ここまで待っていることなんて期待していなかった。けど。

「.........お疲れ。」

ピトッ、と頬に冷たい感触。
「ひゃうっ！？」

情けなくピクッと反応するわたしの声に、玲はフッと優しい笑顔を見せた。

「......没頭し過ぎ。」
「...むぅ、玲......。待ってなくてもいいって、言ったのに...。」

絶対遅くなると思っていたから...。
「.......俺がいると迷惑なのか？」

玲の、珍しく真剣な表情。

「......それは......。」
わたしは、当たり前、といった様子でいった。
「わたしは、玲が好きなんだから、居てくれた方が嬉しいよ？」

「......（赤面）」

本当、大好きよ？幼馴染みなんだから、当たり前じゃない。
なにを今更当たり前のことをいうのかしら。

「...そういえばさ、玲。」
「......何？」
ごくん、と玲のくれたわたしの昔から大好きないちごみるくを飲むと、何気なく聞いた。
「玲って、好きな人とかいるの？」

「.........！？」

「ど？」

やっぱりいちごみるくは美味しい......。仕事のあとのいちごみるくはいいねー...。なんて一人で思いつつ、なんとなく話を進めてみる。

「......何故。」

「いや、応援するわよ？っていいたくって。だって普段から玲にはお世話になっているしね。」


にっこりと、最大限のスマイルを見せてみる。

「.......そんなの...珠洲に決まって......。」

「ってヤバいっ！まだ依頼こなして無いじゃないっ！あぅー、明日から憂鬱......。」
「......る........。」


「ん？玲、なんか言った？」

「.......鈍感。」

ぷくっとむくれたような玲は、今日は終始そっけなかった。