コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 美少女、みつけました。 2500突破オメデトウ。 ( No.245 )
- 日時: 2013/12/15 20:06
- 名前: 乙川暮愛 (ID: G1JcBOCg)
2章 もろく崩れた恋。
”桐生日向
明るく、友達関係も良好。成績は中の下と中の上をまわっている。
スポーツはそれなりに得意。無意識に優しい。
家族構成は、父、母、妹一人に弟二人。
家族思いで、兄弟とよく遊んであげている。
好きな人は___________”
「.......うぅん...」
ここで止めると、内容を一時保存し、小さく溜め息をついた。
報告書をまとめながら、玲の報告を思い返した。
「.........好きな人は......一ノ瀬、瀬菜.........。」
そう、依頼者の友人、一ノ瀬瀬菜。
なんでも一目惚れだとか。
「...なによ、もうっ!......わたしが、いたのに......。」
信じたくない、信じたくないっ、信じられないっ!
...でも、誰よりも信じる、玲の報告だったし。
......言われなくても、薄々気づいていたし。
だって、わたしは、日向のことをずっとずっと考えて、思っていたんだから。
そのくらいのこと、簡単に分かっちゃうよ。
「......信じたくない、よ。」
勝手に持ち込んだファンシーなウサギのぬいぐるみに顔をうずくめると、
声を殺しながら、泣いた。
〜玲SIDE〜
「......珠......」
部室のドアをあけようとすると、珠洲がウサギのぬいぐるみに顔をうずめ泣いていた。
理由は多分分かっている。
きっと、珠洲は、失恋したんだ。
俺の報告に嘘は無い。
ありのままを報告しただけ......。
「.......これで、いい...はず」
いいんだよ、これで。
そういう気持ちは嬉しさがまざっていた。
だって。
俺の好きな人の、失恋が確定したから。
なんてズルいんだろう、って、思った。
なんて最低なんだろう、って、思った。
好きな人の幸せを願うのが、普通なんじゃないのか?
「......最低だ、俺。」
嬉しさと、そんな俺を責める気持ちが同時にわいた。
「......珠洲。......ごめん」
ドアを閉めると、俺は背を向け、がむしゃらに走った。
やっぱり、応援なんか、できないよ。